論理哲学論考 (光文社古典新訳文庫) の感想

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参照データ

タイトル論理哲学論考 (光文社古典新訳文庫)
発売日2014-01-09
製作者ルートヴィヒ ヴィトゲンシュタイン
販売元光文社
JANコード9784334752842
カテゴリ人文・思想 » 哲学・思想 » 西洋思想 » 西洋哲学入門

購入者の感想

私は論考はこの本で初めて読んだのであるが、まず最初の解説がわかりやすくまとまっている。
必要な言葉に対する解説や概念に関する解説があり、本文を読み進めるうえでおおいに役立つであろう。

哲学は活動である。思考の境界線を引くことである。これはヴィトゲンシュタインの主張と言ってよいだろう。
そして境界線を引き終えたとき、すべての活動は終わると考えたのであろうが、このあたりはぜひ本書を手に取って読んでいただきたい。
簡単ではないが、とても面白い。

本自体は薄い。薄いが気軽に流し読みして理解できるものでは決してない。
だからこそ読む価値はあるだろうし、読み進めるうちに反論もしたくもなるだろう。
そういったところも含めてやはり面白いのである。

私は哲学は全く詳しくないが、それでも根気よく読めば自分なりに読めたし、すべての根気強い読者もそうであろう。
読んで損はしないはずである。

 ヴィトゲンシュタインのこの本のことは、前々から知っていて、岩波文庫を覗いてみたことはあった。だけど、覗いてみただけで、読んではいなかった。
 で、この新訳が出たというので、さらには、ペラペラとめくってみれば、横組という新鮮さもあって、読んだ!って言えるのかどうか、分かったて言えるのかどうか・・・・・とにかくは「読んだ!」

 初めて「論考」を読む人がいきなり読みだしても、たとえ数学の素養があったとしても、全部読みこなすのは、少々どころか、相当しんどいんじゃないだろうか。
 そういう人の為に「高校生のための出前講義」なる便利なものが、最初についている。高校生だけに読ませておくのはもったいないくらい、この部分、充実しているので、ここをしっかり理解してから、本文に入り込んだほうがいい。また、そうしないと、皆目わからないだろう(少なくとも、私はそうだった……)。

 次に翻訳。
 岩波文庫版で「語りえぬものについては、沈黙せねばならない。」としているのに納得いかなかった丘沢先生は、「語ることができないことについては、沈黙するしかない。」と訳した。なぜ、そのような訳にしたのかの理由も書いてある。岩波文庫版を支持する人のこともちゃんと書いてある。そのあたり、なかなか公平で民主的。

 20世紀最大の哲学者トップスリーの一人になってしまったヴィトゲンシュタイン。彼の描く独特の世界を本書で味わうのは、なかなか気持ちのいいものである。おすすめ。

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