正義という名の凶器 (ベスト新書) の感想

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参照データ

タイトル正義という名の凶器 (ベスト新書)
発売日販売日未定
製作者片田 珠美
販売元ベストセラーズ
JANコード9784584124024
カテゴリ » ジャンル別 » 人文・思想 » 心理学

購入者の感想

「正義」という名目がつくと、人々は非常に攻撃的になる。
そのような正義の名の下に、他人を攻撃する心理を、精神医学や心理学の研究を踏まえて説明する書ではないので注意。
全くのウソに基づくわけではないのだろうが、本書において論拠として出されるのは「フロイトはこう言っている」と言うレベルのものがいくつかある程度で、あとは、論拠を一切示すことなく「こうだ!」というだけのものである。

そして、本書の中で示される事例というのも、非常におかしなことになっている。
本書で題材に出てくるのは、俳優の二股騒動において、ネットなどを通してバッシングが起きた、などであるが、それについて「バッシングした人々は、その俳優に羨望や嫉妬があったのだ!」などと言い出す。
著者自身が認めるように、ネットなどでバッシングした人々は匿名の存在である。そんな会ったこともない人間の心理状態をなぜ言い切れるのだろう? どんな根拠があって、そういうことを言うのだろう? そういう人がいるかも知れないが、そうではない人もいるだろう。一言で言えば、確かめようのないことである。水掛け論にしかならない。そのようなもので、「こうだ」というのは、神戸親和女子大学の元教授、京都大学講師という「研究者」として、どうなのか? と思わざるを得ない。

さらに、『一億総ガキ社会』のレビューなどでも言わせてもらったのだが、現代社会がこうなのだ、についても同様の問題を抱えている。
著者は、メディアや教育の現場で「諦めるな」という言葉が連呼されることで、自己愛が肥大化している。しかし、経済の停滞などでそれが達成できないので不満が高まっている。だから、無差別殺人なども増えたし、それを正義の仮面で起こるバッシングの増加につながっていると言う。
ところが、警察統計を見る限り、無差別殺人などは減少しているし、バッシングなどが増えたと言う根拠も一切示されない。ネットの発達などで、バッシングの存在が表に出ただけ、ということはないのだろうか?

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