システムLSIのためのアナログ集積回路設計技術〈上〉 の感想
参照データ
タイトル | システムLSIのためのアナログ集積回路設計技術〈上〉 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | P.R. グレイ |
販売元 | 培風館 |
JANコード | 9784563067243 |
カテゴリ | 科学・テクノロジー » 工学 » 電気工学 » 集積回路・IC |
購入者の感想
集積回路設計は、「ばらつき・熱・発振・雑音」において、ディスクリート電子部品の回路設計と大きく異る。しかし、私はディスクリート部品設計者となる新人指導に本書を使用している。IC・ASIC・FPGAなどの集積回路を多く使うハード設計者でも、性能を極限まで追求するには、それら半導体部品の内部の特性や限界を知らなければならない。私自身がバイポーラアナログ回路設計を経験し、その後ディスクリート部品設計者となった時それを痛感したからだ。データシートに記載されていない素子の限界は、極限の性能を引き出そうとする時、不意に設計者を襲う。
本書の1章「デバイスモデル」は、SPICEシミュレーションに採用されている特性近似計算を解説している。大雑把には本書の記述に問題がないが、トランジスタの小型化・大電流などの領域では合わない。その都度パラメータ修正や補正計算によってフィッティングを行うため、本書の計算を絶対だと思わないことだ。2章「製造プロセスや素子設計」は大変重要だ。なぜ抵抗は30%もばらつくのか?どうやって1%の相対精度を出すのか?静電破壊はどうして起こるのか?ラッチアップはなぜ起こるのか?高耐圧の抵抗間のリーク電流を発生する寄生MOSとは何か?これらの情報は回路設計者だけでなく品質保証を担当する技術者にも強力なサポートになるだろう。私は、4章「カレントミラー、電流源、電圧源回路」をさらっと眺めてから3章「差動回路」に戻る方が理解しやすいと感じている。
本書は、1章デバイスモデルに忠実に従って計算式を展開しているため計算式が難解だ。実務では、ベース電流0、Vbe=0.7Vとして暗算で計算して回路を組み、その後SPICE解析を実施する。従って、最初は厳密に本書の計算式を追いかける必要はない。4章まで理解できれば十分だ。5章増幅器、6章オペアンプは、応用設計技術の解説であり、自分の設計に必要な時に本書を開いて参考にするほうが理解しやすいだろう。
本書の1章「デバイスモデル」は、SPICEシミュレーションに採用されている特性近似計算を解説している。大雑把には本書の記述に問題がないが、トランジスタの小型化・大電流などの領域では合わない。その都度パラメータ修正や補正計算によってフィッティングを行うため、本書の計算を絶対だと思わないことだ。2章「製造プロセスや素子設計」は大変重要だ。なぜ抵抗は30%もばらつくのか?どうやって1%の相対精度を出すのか?静電破壊はどうして起こるのか?ラッチアップはなぜ起こるのか?高耐圧の抵抗間のリーク電流を発生する寄生MOSとは何か?これらの情報は回路設計者だけでなく品質保証を担当する技術者にも強力なサポートになるだろう。私は、4章「カレントミラー、電流源、電圧源回路」をさらっと眺めてから3章「差動回路」に戻る方が理解しやすいと感じている。
本書は、1章デバイスモデルに忠実に従って計算式を展開しているため計算式が難解だ。実務では、ベース電流0、Vbe=0.7Vとして暗算で計算して回路を組み、その後SPICE解析を実施する。従って、最初は厳密に本書の計算式を追いかける必要はない。4章まで理解できれば十分だ。5章増幅器、6章オペアンプは、応用設計技術の解説であり、自分の設計に必要な時に本書を開いて参考にするほうが理解しやすいだろう。