磁力と重力の発見〈3〉近代の始まり の感想
参照データ
タイトル | 磁力と重力の発見〈3〉近代の始まり |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 山本 義隆 |
販売元 | みすず書房 |
JANコード | 9784622080336 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 物理学 » 一般 |
購入者の感想
近代の夜明けは、明治時代が華やかな人物列伝で飾られるように、この巻も、教科書で聞き慣れた多くの科学者が登場する。それら科学者が、得体の知れない魔術的な遠隔力を合理的なものとしてどのように認識してゆくかがドラマチックに描かれる。この巻で、初めて数式が登場するが、それは、この時代になって初めて定量的な実験物理学が成立することに照応する。もちろん、数式をすべて追わなくともそのドラマの筋を追うことは可能である。でも、分かるところだけでも読みとればそれだけリアルな姿をみることができる。この巻は、ケプラー前後から始まってニュートンを経てクーロンまでのドラマを描いている。
きら星のように登場する大学者の評価が教科書などのそれと違うところはおもしろい。ごく一部だけ紹介すると、たとえば、ガリレイは合理的すぎて、またデカルトは単純すぎて磁力、重力の科学理論化に失敗した、などであるが、それがベーコンやニュートン、その他についてもそれぞれ開陳される。特に、デカルトの科学史上の役回りは、磁力、重力以外でも従来の評価の主流とはかなり違う。そのあたりのおもしろさを原文にあたって味わってほしい。
誰かが新しい立論をするとしばしば批判や非難が出る。それにどう反論したか、をみると改めてその立論により何がどう前進したのかが分かりやすくなる。そのような3巻に共通する書き方も、この長いドラマをいっそうドラマチックに仕立てている。
著者の視点のユニークさは、30年以上にわたって持続しているようである。
きら星のように登場する大学者の評価が教科書などのそれと違うところはおもしろい。ごく一部だけ紹介すると、たとえば、ガリレイは合理的すぎて、またデカルトは単純すぎて磁力、重力の科学理論化に失敗した、などであるが、それがベーコンやニュートン、その他についてもそれぞれ開陳される。特に、デカルトの科学史上の役回りは、磁力、重力以外でも従来の評価の主流とはかなり違う。そのあたりのおもしろさを原文にあたって味わってほしい。
誰かが新しい立論をするとしばしば批判や非難が出る。それにどう反論したか、をみると改めてその立論により何がどう前進したのかが分かりやすくなる。そのような3巻に共通する書き方も、この長いドラマをいっそうドラマチックに仕立てている。
著者の視点のユニークさは、30年以上にわたって持続しているようである。