さらば、資本主義 (新潮新書) の感想
参照データ
タイトル | さらば、資本主義 (新潮新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 佐伯 啓思 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784106106415 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般 |
購入者の感想
本書では、資本主義の限界を指摘し、経済成長という価値観に代わる、優先すべき新たな価値観を見出だすべきであると述べられている。その中で、資本主義とは成長を目指すためのシステムであると定義した上で、そもそも資本主義は成長をもたらしているのか、またそうであるにしても、それによって、人々は経済的・精神的により豊かになっているのかという点に対して懐疑的であり、筆者は、その答えを否としている。
その根拠の一つとして、ピケティの『21世紀の資本論』を挙げ、それを基に、そもそも資本主義は経済成長をもたらすものではないという前提条件が示されている点に注目している。
本書を通じて、新古典派的な政策であれ、ケインズ的な政策であれ、需要量と供給量を調整して均衡を目指す政策であるという点においては、本書で述べられている資本主義が抱える課題点や矛盾点を解決できないということがわかった。もちろん、だからといって両者の政策が全く無意味であると言っているわけではない。言いたいのは、そういった課題点や矛盾点を克服するためには、資本主義というイデオロギーから一歩距離をとり、それを鳥瞰するための新たな価値観が必要であるということである。
各章の詳細については本文に委ねるが、本書はそういったことを模索するにおいて、多くの視点から資本主義を見つめ直しているという点で、非常に参考となる書籍の一冊であると確信している。
その根拠の一つとして、ピケティの『21世紀の資本論』を挙げ、それを基に、そもそも資本主義は経済成長をもたらすものではないという前提条件が示されている点に注目している。
本書を通じて、新古典派的な政策であれ、ケインズ的な政策であれ、需要量と供給量を調整して均衡を目指す政策であるという点においては、本書で述べられている資本主義が抱える課題点や矛盾点を解決できないということがわかった。もちろん、だからといって両者の政策が全く無意味であると言っているわけではない。言いたいのは、そういった課題点や矛盾点を克服するためには、資本主義というイデオロギーから一歩距離をとり、それを鳥瞰するための新たな価値観が必要であるということである。
各章の詳細については本文に委ねるが、本書はそういったことを模索するにおいて、多くの視点から資本主義を見つめ直しているという点で、非常に参考となる書籍の一冊であると確信している。