オープンダイアローグとは何か の感想

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参照データ

タイトルオープンダイアローグとは何か
発売日販売日未定
製作者斎藤環
販売元医学書院
JANコード9784260024037
カテゴリ » ジャンル別 » 医学・薬学・看護学・歯科学 » 精神医学

購入者の感想

ある日のこと、amazonが「あなたへのおすすめ」として本書をピックアップしてきた。
一体なにごと?
精神医療なんてまったくの門外漢ですが……?興味を示したことも無いはずだけど……???
(無料のブラックジャックによろしく(精神科編もある)は、kindleではなくkinoppyで読んだしなあ)

でもまあ過去の経験からこういう地雷は踏んだほうが楽しい、ということで購入した次第。

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本書はそんな門外漢が読んでもわかりやすく平易にまとめられています。
著者によるイントロダクション、つづいて発案・実践されているフィンランドのセイックラ教授の3本の論文(のエッセンス)で構成されています。
その中身ついてこれ以上ふれるだけでネタバレになってしまうほどですので、もしamazonの陰謀(?)でこのレビューを読んでいらっしゃる門外漢の同志の方よ、気楽に読まれてはいかがでしょうか、とおすすめしておきます。

少し驚いたのは、バフチン、デリダなど現代思想家とよばれる人たちへの言及があること。
さらに言えばオープンダイアログとはバフチンのいうポリフォニーからの展開であるとのこと。
へえええ。
ポストモダニズム思想のあとにはペンペン草もはえないという人もいますが、同時代のバフチンがこんなところで人様のお役にたっていたは!(バフチンがポモとはいいませんが……)
だまされたと思って、買って読んでみてみてよかったですよ。

わが家の5歳と2歳のチビチビたちと話をするとき、なかなか意思疎通がうまくいきません。
大人の耳に意味不明な言葉をいうので、それはこういうことなの?ああいうことなの?そうしたいってこと?となんどもききかかえしてやっと意味がわかります。話が通じるとやつらめはとても満足な顔をします。
でもこれって、本書のオープンダイアログの実例とほとんど同じじゃないの、って気がします。

では幼児と患者の違いはどこにあるのだろうか、本書をよむかぎり違いなんてないのではないのかとおもいます。

 日本ではまだそれほど注目度は高くないけど、アメリカでは既存の精神医療の考え方を根底から転換する流れとして大きく注目されているオープン・ダイアログの理論(考え方)ばかりでなく実践方法まで具体的に述べている入門書です。斎藤氏の著書は時に超難解ですが、この本は極めて平易に書かれています。確かにベイトソン、ミラノ派、リフレクティング・チームなど家族療法の基礎概念に馴染みがないと取っ付きにくいかもしれませんが、それらも丁寧に解説されています。
 後半はオープンダイアログを始めたフィンランドのセイックラ氏の論文3本の翻訳で、前半はそれらを理解しやすいように斎藤氏が解説を書き下ろしています。フィンランド北部の人口過疎地で生まれたこの実践は、北海道の過疎地で生まれた「べてるの家」の実践と結果的にはかなり共通しています。薬物と入院に頼る日本の精神医療の専門家たちがこの考え方を受け入れるのはかなり困難でしょうが、精神科救急(危機介入)や精神科病棟などで少しでも生かせれば、ユーザーにとても優しい精神医療に転換できると思います。今のところ、この実践に興味を持っているのが医師よりも看護師が中心というのも日本の特質をよく現していると思います。

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