愛国のパラドックス: 「右か左か」の時代は終わった の感想

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参照データ

タイトル愛国のパラドックス: 「右か左か」の時代は終わった
発売日販売日未定
製作者佐藤 健志
販売元アスペクト
JANコード9784757223547
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » イデオロギー

購入者の感想

保守主義とは何かについては、エドモンド・バーク「フランス革命の省察」に書かれています。
保守主義とは「急激な社会変革た革命は社会、国家に無秩序・混乱・破壊をもたらすと批判し、時代に即さない部分は少しずつ斬新的に変えていくのがよい」との考えです。
いわば、時間が掛かるが諦めない楽観主義です。
急激な変化を嫌う大多数の一般大衆のもつ社会改革のスタンスです。

この本は、保守という言葉をキーワードとして、江戸末期から現代に至るまでの保守主義についての解説本です。
マスコミ、ジャーナリズムでは、保守、革新、リベラル、左翼、右翼、ネトウヨ、パヨク、ブサヨなどの言葉が使われています。
著者は、保守の内実を特に戦後日本に即して解説し、革新的に日本を変革させてきたのは保守政党とマスコミで言われる自民党だった。
革新・リベラルと言われた政党である民主党政権は、出来もしないマニフェスト(公約)で日本人を騙し、国力を悪化させ信頼を失った。
今もその余波で野党は低迷している。

右翼、愛国、保守に対し左翼、革新という図式は、複雑で多様な問題があふれる現代では、単純な色分けは不可能です。
個々の問題で、保守系と言われるグループ間で、対立があります。
保守本流政治家の安倍政権下にあっても、憲法改正、教科書問題、対アメリカ政策、中国などの共産主義国家対応、などで主張の違いは多いです。

それぞれの立場と主張とその違いを説明しています。
著者は、あるべき保守とはこうであるとはこうであるとは言いません。
その意味で、すっきりしない一冊で、モヤモヤ感が残ります。

雑誌『表現者』でおなじみの思想界では若手といってよい佐藤健志氏の新著である。
前著『僕たちは戦後史を知らない』も読まさせていただいたが、前著は氏の頭の中で戦後史をこねくり回していた嫌いがどうしても否めず、
読後感は良くは無かった。今回の書についても、相変わらず佐藤ワールドが全開で、いわゆる「保守」を標榜しているものでも、手痛い指摘が
相次いでおり、耳の痛い話となると思う。しかし、「保守」そのもののあり方について述べたり、侵略そのものが必ずしも否定されるべきものではない
ということを述べたりと、言論のタブーを打ち破る姿勢には痛快さを感じる。「保守は愛国の反日を目指せ!」(p190)などには深い感銘を受けた。

本書で佐藤氏は中野剛志氏を若手で最高の知性の一人と書いているが、私の考えでは佐藤氏も間違いなく福田恆存や西部邁の後継者たる若手の
最高の知性の一人であると確信している。これからの氏の活躍に期待する。

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