The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day (集英社文庫) の感想
参照データ
タイトル | The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day (集英社文庫) |
発売日 | 2012-11-20 |
製作者 | 乙一 |
販売元 | 集英社 |
JANコード | 9784087450125 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 |
購入者の感想
この作品を乙一氏による「ジョジョの世界観を基にしたまったく違う作品」として読むか「原作の延長」つまり荒木氏のジョジョとして読むかで自分のなかの評価が変わるなと思いました。前者としては乙一氏は本当にジョジョが好きなんだという感じがひしひしと伝わる文章で最初バラバラだった時間軸の出来事がだんだん一つになっていく展開はとても面白くドキドキしました。少し行き過ぎたジョジョネタも個人的には心地よく感じ、また乙一氏の作品を読みたくなると思う見事な作品でした。ただし後者としてはこれはジョジョではないという印象を受けました。この作品の主人公の行動理由と同じキャラは原作でも少なくありません。しかしそのキャラたちは自分の手で決着をつけるために復讐相手を「直接倒しに」行くのに対し主人公の行動は原作のキャラはしないであろう方法をとったことに深い不快感が残りました。あの性特有の黒くて体にのしかかる感じをジョジョで感じるとは想像していませんでした。また主人公のキャラクター像が最後まで前向きだったとは到底思えず「人間讃歌」がテーマのジョジョの世界にふさわしくなかったと感じました。話の最後にはいつもさびしくも爽やかな風が吹くように感じるジョジョの作品のなかでこの作品はそんな風を感じることはできませんでした。