月の砂漠をさばさばと の感想
参照データ
タイトル | 月の砂漠をさばさばと |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 北村 薫 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784104066032 |
カテゴリ | 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » か行の著者 |
購入者の感想
この文庫の梨木香歩の解説はパーフェクトである。『日常は意識して守護されなければならない。』北村薫の魅力をこの一言で見事に現してくれて、私はいたく満足である。そうなのだ。『私と円紫』シリーズにしても『覆面作家』シリーズにしても、その隠れた『本格推理』水準の高さを誉めた解説子は多くいたが、北村が何故日常にあれほどこだわっていたかを解説してくれた人はいなかった。この本は母と子供の物語である。母親が読んでも充分に面白いだろうが、本当は父親こそ読むべきだろうと思う。母親にこんなにもおかしく面白く知性に満ちた子供との関係を任せて良いものだろうか、ときっと思うだろうから。