MATLAB対応 ディジタル信号処理 の感想

※サンプル画像 クリックで拡大します

東北大の先生が教科書として2000年に書かれたものです。
奥付を見ると同じ版で毎年刷られています。
おそらく現在も教科書として使われ続けているのでしょう。

内容は電気系のディジタル信号処理の教科書として標準的と思われます。
講義で使う事を想定し、13章に分量が調整されています。

本文の記述はあっさりしていて、説明している事柄の本質的な部分を文章だけから
理解するのはやや困難です。少なくとも各章の演習は解いてみる必要があります。
講義で教官が補足する事で成り立っているという印象です。
授業の教科書としては問題ありませんが、本だけを読んで勉強するのには
あまり適してないと思います。

MATLABは具体的な計算とその結果のグラフ表示に使われていて、
全てのプログラムリストが掲載されています。
フィルタ設計の章のsignal processing関数の使い方は参考になりました。

MATLAB(Octave)自身のインストール方法や、使い方、
プログラミングの説明などはなく、別途自分で勉強する必要があります。
ただ高度な使い方はしていないので、他のコンピュータ言語を
使いこなしていればそれほど難しい事はないでしょう。

読んでいる途中で、同じ東北大の別の先生がWebで公開している
「やる夫で学ぶディジタル信号処理」を見つけ、それを先に読む事で
だいぶ読むのが楽になりました。

章末の演習問題の解答もMATLAB(Octave)のプログラムと同様にWebから入手可能です。