崩壊連鎖―長銀・日債銀粉飾決算事件 の感想

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参照データ

タイトル崩壊連鎖―長銀・日債銀粉飾決算事件
発売日販売日未定
販売元共同通信社
JANコード9784764104464
カテゴリジャンル別 » ノンフィクション » 事件・犯罪 » その他

購入者の感想

苦境を逆転する最後の頼みは、長銀が住友信託銀、日債銀が中央信託銀だったが、その秘策も命運尽き再建の道は閉ざされた。本書は破綻した長信銀2行の不良債権問題、それに関わった歴代経営陣、日本型金融システムの制度疲労、役目を終えた長信銀法上の金融機関、苦し紛れ経営の失敗、それらを詳しく取材した記録だ。日債銀のスタートは「皇軍の出納係」、それから「政治銀行」というべき大蔵管理銀行。長信銀の中で最後発、政治家との密接な関係、フィクサー、政商とのいわくつきの銀行。一方で長銀はIBJに比し歴史が浅く万年2位、バブルと共に生き不動産やサービス業の新規分野にはまり込んだ。イ・アイ・イは勿論のこと、「北国の春」の歌手でお馴染の仙台のゴルフコースを舞台とする飛ばしの全貌、不良債権の隠蔽マニュアル、住友信託銀との合併交渉等々興味深い。痛みが強くなるので一時的にモルヒネを使用し不良債権を隠し、地価や株価の回復を期待する。しかし含み損は拡大する一方、痛みに耐えられなくなりモルヒネ中毒になっていった。LTCBの不良債権受け皿会社はエヌアールG、日比谷G、エル都市開発で計19社。更に関連会社・親密会社の受け皿を含め総数197社に驚く。長銀破綻の構図、不良債権隠しの全容が詳しく書かれている。自己査定には第三分類(利払い滞り、回収に重大な懸念)や、第四分類(倒産、回収困難)があるが、長銀は関連先・親密先にヒト・モノ・カネの支援をしているので回収に重大な懸念はあり得ないとして、せいぜい第二分類(要注意債権)にする。この独自基準も事業推進部(4名)が策定し、関連部のリスク統括部(3名)、総合企画部(1名)そして常務会にて承認されていた由。私が某都銀に入る頃、LTCBは最難関であり、優秀な行員が多く自信に満ち溢れ,IBJ同様にえらくプライドが高かったが・・。

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