ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか (角川文庫) の感想
参照データ
タイトル | ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか (角川文庫) |
発売日 | 2014-03-25 |
製作者 | NHKスペシャル取材班 |
販売元 | KADOKAWA/角川書店 |
JANコード | 9784041012680 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » サル・人類学 |
購入者の感想
人間性の起源を研究しているさまざまな科学者への取材を中心に構成されている。理論や仮説を詳細に記述するよりは、発言の引用が多め。そのため馴染んでいない人にも読みやすいのではないだろうか。取材先は科学者だけでなく米軍、ニューギニアやアフリカの狩猟採集民まで及ぶ。テレビジャーナリストでないとなかなかできなさそうだ。取り上げられているのは装飾、宗教、農業などの行動もあるが、それよりも利他性・親切さ・協力、その裏返しである罰・闘争など、すなわち文化的行動を生み出す基礎となる「社会性」の起源に重きが置かれている。
霊長類学者では松沢哲朗やランガム、ダンバー、古人類学ではクリス・ストリンガーや赤沢威、馬場悠男など、社会心理学ではアラ・ノレンザヤンやヨシュア・グリーン、経済学者のボールズ、理論生物学では辻先生や土畑博士、マーチン・ノーワックらで、まさにオールスターの感がある。
集団間の競争と協力のどちらが重要だったか、のように排他的でない二つの仮説を対立的に扱うとか、人間の場合フリーライド(ズル)をする原因は遺伝子ではなく心にあるとか(そのような心がどう遺伝的に進化したかを論じているのに)、論理的にいっておかしい部分も少しだけある。でも科学者が書いたものでももっと酷いものもあるし、全体的には非常に良くまとまっている。科学者が書いたものではガザニガ『人間らしさとはなにか?』が近いが、価格が倍以上違う。お買い得。0
霊長類学者では松沢哲朗やランガム、ダンバー、古人類学ではクリス・ストリンガーや赤沢威、馬場悠男など、社会心理学ではアラ・ノレンザヤンやヨシュア・グリーン、経済学者のボールズ、理論生物学では辻先生や土畑博士、マーチン・ノーワックらで、まさにオールスターの感がある。
集団間の競争と協力のどちらが重要だったか、のように排他的でない二つの仮説を対立的に扱うとか、人間の場合フリーライド(ズル)をする原因は遺伝子ではなく心にあるとか(そのような心がどう遺伝的に進化したかを論じているのに)、論理的にいっておかしい部分も少しだけある。でも科学者が書いたものでももっと酷いものもあるし、全体的には非常に良くまとまっている。科学者が書いたものではガザニガ『人間らしさとはなにか?』が近いが、価格が倍以上違う。お買い得。0