つばさよつばさ (集英社文庫) の感想

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参照データ

タイトルつばさよつばさ (集英社文庫)
発売日2015-03-20
製作者浅田 次郎
販売元集英社
JANコード9784087452952
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » あ行の著者

購入者の感想

 もともとは日本航空(JAL)の機内誌に連載されたエッセイをまとめた本で、単行本化のあと文庫化され、この本は2回目の文庫化になります。 
 2007年連載開始なので、旅の情報としては多少、古いところがありますが、非常に面白く読むことができました。どこに行った~という旅の話が主ですが、普通の旅行エッセイではなく、あくまで「作家」の旅行エッセイなのです。
 たとえばP65からの「混浴の思想」で自然の美しいアルプスに行った理由を、浅田先生はこう書いています。「幸い山々の雪は解け、花の季節にはまだ少し早かったので、宿はすいていた。むろん日本人観光客の姿はどこにもない。およそ地球上考えうる限り最高の読書環境である」と。
 すばらしい自然のアルプス(南アルプス市ではありません!)に行かれたのは「最高の読書環境」ゆえ。本当なのか冗談なのかわかりませんが「さすが作家先生は違うなぁ」と思いました。最高の読書環境を求めて行った話が何故、表題の「混浴の思想」に繋がるのか。ぜひ、この本を手に取ってご確認ください。5ページ程度の短いエッセイを集めたものですので、通勤や旅先など、読書がしばしば中断される環境で読むにも適していると思います。

   ところで、2014年に日本で一番文庫本を売り上げたベストセラー作家の百田尚樹が、2015年4月6日に
百田尚樹 @hyakutanaoki  4月6日 、約20年ぶりにハワイに行った。基本的に旅行も観光も好きじゃないので、一日中ホテルの部屋でごろごろ。食事はルームサービス。ハワイまで行く意味あったんか(^_^;)
   (注 当初、もう少し違う文章で投稿されたものを書きなおしたバージョンがこちらです)とツイートされてました。
 同じベストセラー作家先生の旅の感想がここまで違うのかと、比較するのが楽しかったです。
 さらにはP86「作家の筆不精」では浅田流創作法に触れられています。「小説という創造行為の第一次作業はメモである」と、いわゆるネタ帳、アイディアをメモすることについて触れられています。メモと言えば、最近話題になっている故やしきたかじん氏が残したとされる「たかじんメモ」「イタコメモ」を連想しました。

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