CELLO SUITES 1.2.3 の感想
参照データ
タイトル | CELLO SUITES 1.2.3 |
発売日 | 1996-11-21 |
アーティスト | Yasuaki Shimizu |
販売元 | ビクターエンタテインメント |
JANコード | 4988002341764 |
Disc 1 : | SUITE No.1 - プレリュード SUITE No.1 - アルマンド SUITE No.1 - クーラント SUITE No.1 - サラバンド SUITE No.1 - メヌエット1,2 SUITE No.1 - ジーグ SUITE No.2 - プレリュード SUITE No.2 - アルマンド SUITE No.2 - クーラント SUITE No.2 - サラバンド SUITE No.2 - メヌエット1,2 SUITE No.2 - ジーグ SUITE No.3 - プレリュード SUITE No.3 - アルマンド SUITE No.3 - クーラント SUITE No.3 - サラバンド SUITE No.3 - ブーレ1,2 SUITE No.3 - ジーグ |
カテゴリ | » ミュージック » ジャンル別 » J-POP |
購入者の感想
クラッシックの少なからぬファンで、もちろんこのバッハの名曲(群)もチェロで聴いてきました。しかし、何人かの名演奏家による演奏と聞き比べても、清水氏のこのサックス版は全く遜色がありません。驚くべきことです。
バッハやモーツァルト、ベートーベンなどあまたの作曲家を輩出した時代と対置させて、現代を「演奏家の時代」と称したりしますが、作曲家の想定をも超えた楽曲の新しい可能性を演奏家のもつ創造性が見せてくれるたびにそれを感じさせられます。この作品などは、まさにその典型例の一つなのではないでしょうか。
当然ながら、楽器はその構造が有する「発生・増幅機能による音」を聴く者に届けます。ところが氏の試みは、楽器(サックス)自身によって発生された音だけでなく、それが「周囲の環境に反響した音」をも積極的な構成要素としています。いわば、「サックスと周囲の環境とによる巨大な総合楽器」による演奏ですが、これによって、新たな感聴ポイントが生み出されることになりました。残響、すなわち「音の消え方」です。私が見るところ、清水氏のサックスによる演奏は、一つ一つの音の消失点に、その聴きどころの妙味があると思われます。いわば「岩に染みいるサックスの音」・・・。
音の消え入り方に注意して聴くと、またいっそう、奏者の目指す音の重層性の深淵が見えるような気がします。
バッハやモーツァルト、ベートーベンなどあまたの作曲家を輩出した時代と対置させて、現代を「演奏家の時代」と称したりしますが、作曲家の想定をも超えた楽曲の新しい可能性を演奏家のもつ創造性が見せてくれるたびにそれを感じさせられます。この作品などは、まさにその典型例の一つなのではないでしょうか。
当然ながら、楽器はその構造が有する「発生・増幅機能による音」を聴く者に届けます。ところが氏の試みは、楽器(サックス)自身によって発生された音だけでなく、それが「周囲の環境に反響した音」をも積極的な構成要素としています。いわば、「サックスと周囲の環境とによる巨大な総合楽器」による演奏ですが、これによって、新たな感聴ポイントが生み出されることになりました。残響、すなわち「音の消え方」です。私が見るところ、清水氏のサックスによる演奏は、一つ一つの音の消失点に、その聴きどころの妙味があると思われます。いわば「岩に染みいるサックスの音」・・・。
音の消え入り方に注意して聴くと、またいっそう、奏者の目指す音の重層性の深淵が見えるような気がします。