ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座 宗教紛争はなぜ終わらないのか の感想

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参照データ

タイトルユダヤ・キリスト・イスラム集中講座 宗教紛争はなぜ終わらないのか
発売日販売日未定
製作者井沢 元彦
販売元徳間書店
JANコード9784198619466
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

この本を読んでまず思ったのは、この著者は本当に西欧やアメリカ、西アジアの歴史をわかっているのかな?ということでした。
何しろ、「トゥール・ポワティエの戦いでチャールズ大帝がイスラム勢力を破った」などと大うそを書いてあるぐらいだから、ヨーロッパの歴史にはあまりくわしくないのでしょう。
おまけになぜカールの名をわざわざ英語読みで「チャールズ」と言わねばならないのか?イングランドは関係ないのだから、カールかシャルルにすべきでは?

十字軍に関しても著者には「十字軍とはキリスト教徒がパレスティナのイスラム教徒やユダヤ教徒を殺しまくったもの」という部分のみが重要だったとみえて、そればかりを何度も繰り返しています。
そのせいで、対談者が「十字軍もそもそもの動機は政治的なもの」といっても納得できずに、「でもやっぱり根底には宗教対立が…」とバカの一つ覚えのように同じことばかり言っています。

著者はどうしても世界の対立は一神教が原因であるとしたいようで、世界の対立は宗教対立ではなく政治闘争と聞かされても右から左に聞き流していますが、おそらく対談者が言っていることの方が理性的でしょうね。ドイツのある作家も「宗教戦争ほど宗教と無縁のものはない」と言っています。宗教は口実であり、世界に争いが生まれるのは政治的、経済的動機からでしょう。

そういうわけで、著者自身の考えにかなりの偏見がある以上、この本を読んだだけで一神教やヨーロッパや西アジアのことがわかった気になるのは危険なことではないかと思います。

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