物語 シンガポールの歴史 (中公新書) の感想

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タイトル物語 シンガポールの歴史 (中公新書)
発売日販売日未定
製作者岩崎 育夫
販売元中央公論新社
JANコード9784121022080
カテゴリ歴史・地理 » 世界史 » アジア史 » その他

購入者の感想

赤道直下の都市国家シンガポール。ラッフルズによる植民地化から現在までの歩みを追う。植民地時代の話も手堅くまとまっている。しかし、やはりシンガポールと言えばこの人、リー・クアンユーだ。本書も4分の3をリー時代に充てている。自治領以来50年君臨し、超ワンマンで統治で経済を発展させ、見本にしていた日本すら抜き去ってしまった。シンガポールという国は、リーという一人の天才がすべてのシステムを組み立てた。

シンガポールはそもそも独立する気など、さらさらなかった。南に領土拡大に貪欲なインドネシアという大国と向き合っている。シンガポールはもともとマレー人が住んでいたし、同じ英領でもあった。マレーシアに水食糧を依存してもいる。そこで、マレーシアと連邦国家を作ったが、マレーシア政府とことごとく意見が対立した。マレー人と華人との対立が本国に持ち込まれることを嫌ったマレーシアは、ついにシンガポールを追放してしまう。

シンガポールは華人、マレー人、インド人で構成されている。民族宗教対立が小さな島で起きたら国は立ちいかない。リーは投資を呼び込み、経済国家となることを選択した。典型的な開発独裁だ。与党・人民行動党以外の団体を一切政治に関与させない。経済開発にすべてのエネルギーを注ぐ。党と政府、政府系企業はすべて人材トラックを一体化した。財務次官がシンガポール航空会長を兼務することもあったという。教育も、小学校段階から出来る者と出来ない者の選別を繰り返す。エリート主義、能力主義だ。ムダの排除も徹底した。民主主義すらリーにとって「バカと話し合う時間はムダ」だったようである。国家運営というより「経営」に近い。

建国当初は南北を仮想敵国に挟まれ、国運を天才リーに委ねるしかないことをシンガポール国民も分かっていたので、不満も少なかった。だが、豊かになり我慢してきた国民の不満も増し、人民行動党の圧倒的な支持は近年落ちた。選挙も苦しい。上意下達が徹底されていたが、やや国民目線も意識しつつあるという。

赤道直下の都市国家シンガポール。ラッフルズによる植民地化から現在までの歩みを追う。植民地時代の話も手堅くまとまっている。しかし、やはりシンガポールと言えばこの人、リー・クアンユーだ。本書も4分の3をリー時代に充てている。自治領以来50年君臨し、超ワンマンで統治で経済を発展させ、見本にしていた日本すら抜き去ってしまった。シンガポールという国は、リーという一人の天才がすべてのシステムを組み立てた。

シンガポールはそもそも独立する気など、さらさらなかった。南に領土拡大に貪欲なインドネシアという大国と向き合っている。シンガポールはもともとマレー人が住んでいたし、同じ英領でもあった。マレーシアに水食糧を依存してもいる。そこで、マレーシアと連邦国家を作ったが、マレーシア政府とことごとく意見が対立した。マレー人と華人との対立が本国に持ち込まれることを嫌ったマレーシアは、ついにシンガポールを追放してしまう。

シンガポールは華人、マレー人、インド人で構成されている。民族宗教対立が小さな島で起きたら国は立ちいかない。リーは投資を呼び込み、経済国家となることを選択した。典型的な開発独裁だ。与党・人民行動党以外の団体を一切政治に関与させない。経済開発にすべてのエネルギーを注ぐ。党と政府、政府系企業はすべて人材トラックを一体化した。財務次官がシンガポール航空会長を兼務することもあったという。教育も、小学校段階から出来る者と出来ない者の選別を繰り返す。エリート主義、能力主義だ。ムダの排除も徹底した。民主主義すらリーにとって「バカと話し合う時間はムダ」だったようである。国家運営というより「経営」に近い。

建国当初は南北を仮想敵国に挟まれ、国運を天才リーに委ねるしかないことをシンガポール国民も分かっていたので、不満も少なかった。だが、豊かになり我慢してきた国民の不満も増し、人民行動党の圧倒的な支持は近年落ちた。選挙も苦しい。上意下達が徹底されていたが、やや国民目線も意識しつつあるという。

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