FILL UP THE NIGHT の感想

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参照データ

タイトルFILL UP THE NIGHT
発売日2009-02-25
アーティスト渡辺貞夫
販売元ワーナーミュージック・ジャパン
JANコード4943674086832
Disc 1 :セイ・ホエン
ローズバッド
フィル・アップ・ザ・ナイト
ドリームス・カム・トゥルー
スーン・カム
モーニング・カーム
ウエストサイド・ドライヴ
サイド・ストリート
カテゴリ » ミュージック » ジャンル別 » J-POP

購入者の感想

 なぜ、今までコレが廃盤だったのか解せぬ。責任者出て来い、成敗してくれるところだが、こうして心を入れ替えてリマスターして出してくれるのだから今回の事は不問に付そう。以後気をつけなさい。
 一聴すれば、すべて分かる。ダークでシャープでぼやけてて、しかし熱い奇蹟の作品である。ティー、ゲイル、ガッド、そしてマーカス・ミラーという今だとまず絶対召集不可能な恐怖のアンサンブルによる、大人の世界。コンプをかけまくったようなヘヴィな音質、重厚な編曲、ほとんど同じメンバーで同時期に制作されたグローヴァー・ワシントンの『ワインライト』とはまるで違う。明らかに、こっちの方がワイルドで恰好いい。心なしかティーのローズピアノもこっちの方がフルボディのワインのようだ。
 しかし、何と言ってもナベサダのプレイと曲だ。発刺としたソプラノが生生しい音質で切り込む。曲も良い。「ROSEBUD」なんて他に誰がこんな曲が書けるだろうか。ティーの「DREAMS COME TRUE」も最高。しかもここにホルヘ・ダルトの片手のピアノソロ。思わず午前様で閉店間際の場末のスナックで空に近いボトルを開ける時の光景が思い浮かぶ。うん、このアルバムには本当に酒がよく似合う!今回リマスターによりシャープに、音が重く太くなった。マーカスの重金属のようなベースとティーの泡のようなローズに囲まれながら、ナベサダの声のようなアルトを聴く悦びに浸る。こんなレコードは他にありません。
 
 

50年代から活動を開始し、秋好敏子の後を追って、渡米。バークリー音楽院で本格的な本場ジャズのエッセンスを学んだナベサダこと渡辺貞夫こそ、わが国ジャズのレベルを一気に引き上げた功労者だ。その御大が80年代に入って収録した完成期のアルバム。全体からかもし出す格調とゆとりは、バップ、モダン・ジャズ、ボサノバ、フュージョンといった枠を超越したやさしさに満ちたサウンドだ。Say When、Rosebudと続きFill up the Night With Musicではグラディ・テイトの甘いボーカルも聞ける。Dreams Come True、Soon Come、Morning Calmなどメロウな味わいからも単なる甘さだけでなく一本筋の通った彼の音楽性を感じ取ることができる。それはジャズ魂とでもいえそうな気高い精神性であり、かつて出発点としたチャーリー・パーカーやソニー・ロリンズといった巨人たちの姿とダブらせることができるかもしれない。そしてあくまでも明るく、美しく、軽快なナベサダの美学が彼のどうしようもない個性となって表出されているのだ。

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ワーナーミュージック・ジャパンから発売された渡辺貞夫のFILL UP THE NIGHT(JAN:4943674086832)の感想と評価
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