ダブリンの市民 (岩波文庫) の感想
参照データ
タイトル | ダブリンの市民 (岩波文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ジョイス |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784003225516 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学 |
購入者の感想
『ユリシーズ』で知られるジョイスの短編集。
この『ダブリン市民』も非常に有名な作品で、このまえNHKラジオの
「原書で読む世界の名作」でも扱っていた。そのこともあって、原典も
書店で容易に入手可能。
最後の二本、「恩寵」と「死者たち」が長いが、ほかの作品はかなり
短く、すいすい読み進めることができる。岩波文庫としては字も大きく
すっきりとしていて読みやすい。
描かれているのはダブリンの日常である。子供が学校をサボったり、
男たちが酒場で黒ビールをやったり、親が子供を殴ったり、パーティー
が開かれたり・・・どれも、大事件ではなく、普段の生活のひとこま
である。しかし、穏やかな日常ではない。宗教の問題、イギリスへの
反感、アイルランド人としての意識、階級意識。多くの社会問題を抱え
ていたアイルランドの人々の屈折した感情が描かれ、鬱屈した雰囲気を
感じさせる。
はっきりとした結末を述べない短編も多く、読者に考える余地を与えて
くれる。
巻末にはくわしい解説が付されており、勉強になる。
この『ダブリン市民』も非常に有名な作品で、このまえNHKラジオの
「原書で読む世界の名作」でも扱っていた。そのこともあって、原典も
書店で容易に入手可能。
最後の二本、「恩寵」と「死者たち」が長いが、ほかの作品はかなり
短く、すいすい読み進めることができる。岩波文庫としては字も大きく
すっきりとしていて読みやすい。
描かれているのはダブリンの日常である。子供が学校をサボったり、
男たちが酒場で黒ビールをやったり、親が子供を殴ったり、パーティー
が開かれたり・・・どれも、大事件ではなく、普段の生活のひとこま
である。しかし、穏やかな日常ではない。宗教の問題、イギリスへの
反感、アイルランド人としての意識、階級意識。多くの社会問題を抱え
ていたアイルランドの人々の屈折した感情が描かれ、鬱屈した雰囲気を
感じさせる。
はっきりとした結末を述べない短編も多く、読者に考える余地を与えて
くれる。
巻末にはくわしい解説が付されており、勉強になる。