「世の中の計算」の9割は算数で解ける! の感想

タイトルは『「世の中の計算」の9割は算数で解ける！』だが、もっと広い意味で思考力を鍛える、あるいは養うために算数は役立つようだ。
言い換えるなら、「算数的思考力があれば、世の中の問題の9割は解決できる」とまではいえなくとも、問題を整理し、理解する力はつきそうだ。
本書にあるように、「算数や数学が苦手という人は、実は計算そのものよりも、何をどう解くかという"筋みち"がつけられない」ことにある。
算数のポイントが、「問題を整理し、簡単な計算や図を使って考える」と、シンプルであるからこそ、問題を複雑な数式化であらわす数学と決定的に違って、非数学的人間にも理解できる筋みちを与えてくれることになる。
本書は「損益計算の仕方」、「ワリカンの計算の仕方」、「時刻表の読み取り方」など、小学校で学ぶ算数の復習という体裁をとりながら、実社会に役立つものを用例として取り上げ、読み通すことで「算数的思考法」が身につく。
算数の復習というより、思考力鍛錬法として読めた。