WOW の感想

「すべては処女作にある。」と言った作家がいるが１９９３年のこのデビュー盤。今、聴いてもゾクゾクする。日本の生んだ天才ピアニスト。力強くスイングし、鍵盤に全生命をたたきつけるよな演奏は、とても女性ピアニストとは思えない。それでいて繊細な側面を持っている。セロニアス・モンクの代表作「ブリリアント・コーナー」やメロディーの美しい「ネーチャー・ボーイ」もいいけど、一曲目の大西順子のオリジナルの「ザ・ジャングラー」がごきげん。１０年前の演奏だが古臭さはまったくない。日本の生んだ世界のジャズシーンに通用する大西順子を聴く幸せをかみしめている。歴史に残る名盤。当然星５つ。（松本敏之）