昭和陸軍の研究 上 (朝日文庫) の感想
参照データ
タイトル | 昭和陸軍の研究 上 (朝日文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 保阪 正康 |
販売元 | 朝日新聞社 |
JANコード | 9784022615008 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 軍事 » 軍事入門 |
購入者の感想
太平洋戦争について言うのであれば、米内〜山本〜井上の反戦論が海軍にあった事は、周知のことであり、それとの比較で言うと、中国への進出に始まる太平洋戦争への道は、全て(とは言わないまでも大部分が)「陸軍」によって始められたことである。
ということは、「昭和」の戦争は、「陸軍」による戦争という一応の架設が建つのであり、その陸軍を研究しなければ、なぜに日本が徹底的に焼き尽くされるような無謀な戦争に突き進んだかは理解できない。
「昭和」研究の第一人者である著者は、膨大な資料と何百人へのインタビューを通じて、「陸軍」の組織論、派閥論、それに伴う人間関係などから説き起こしてどうして「意思決定」がされていったのかを極めて詳細に論じている。
ここで、感じることは、「独裁者」のような存在がいたわけではないこと、強烈なリーダーシップを発揮する人間がいたというわけではなく、序列や、責任回避が重なって、「何とはなしに」意思決定されていたと思われる部分が描かれていることである。
ここは、現在の日本の官僚社会、会社組織でもありうることであり、同じような過ちが起こりうることを示唆している。傾聴に値する本である。
ということは、「昭和」の戦争は、「陸軍」による戦争という一応の架設が建つのであり、その陸軍を研究しなければ、なぜに日本が徹底的に焼き尽くされるような無謀な戦争に突き進んだかは理解できない。
「昭和」研究の第一人者である著者は、膨大な資料と何百人へのインタビューを通じて、「陸軍」の組織論、派閥論、それに伴う人間関係などから説き起こしてどうして「意思決定」がされていったのかを極めて詳細に論じている。
ここで、感じることは、「独裁者」のような存在がいたわけではないこと、強烈なリーダーシップを発揮する人間がいたというわけではなく、序列や、責任回避が重なって、「何とはなしに」意思決定されていたと思われる部分が描かれていることである。
ここは、現在の日本の官僚社会、会社組織でもありうることであり、同じような過ちが起こりうることを示唆している。傾聴に値する本である。