銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件 の感想

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参照データ

タイトル銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件
発売日販売日未定
製作者アンドリュー・カウフマン
販売元東京創元社
JANコード9784488010072
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

購入者の感想

※長くなりました

小説。銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件(アンドリュー・カウフマン、訳:田内志文・東京創元社・1200円+消費税)。

クセになる小説。読者層でいえば、下は小学校高学年からいける。面白い。

小説にはいろいろなパターンがある。古代から現代、あるいは未来を舞台とするもの。史実の間を独自の創意で練り上げるもの。完全なオリジナル。人間以外のものが主人公。心の内をみつめ続け、解の見出せない苦悩を綴るもの。ワクワクのドキドキや、推理と謎解き。登場人物の生き方に何らかの指針を探るもの、などなど。読者に喜怒哀楽を始めとするあらゆる感情をもたらせる世界、小説。

この小説には、読者が無意識に読む「普通の世界」という前提を、あの手この手でくつがえす仕掛けと発想があり、読み進めては「あれ?」と読み戻り「あ、そういうことか」と「この小説がこしらえた世界」の再確認・再考に妙味があり、通常、ページを戻して読み直す作業に特段のメリットは何もないはずなのに、この小説に関しては、その再読の連続により読者が作者の世界に少しずつ染まっていくプロセスそのものに旨味がある。

作者が仕掛ける不思議は、一歩まちがえれば「よくわからない」となりそうなものの「面白いね」と着地させる確信があり、それは狙い通りに成功している。この背景には、読者それぞれが幼い頃に読んだであろう「おとぎ話」や「夢(←睡眠中にみる荒唐無稽の設定)」の経験にシンクロする何かがあり、この不思議はどこか親しみやすいものがあり、ゆえに、読んでいてゆらゆらと心地よい。

先日読んだあるベストセラー翻訳小説は読んでいてピンとこなかった。思うに、ひとつひとつの文章が長かったことと会話の口調に感じた定型的な古さ(強盗だったら野蛮な口調とか)が僕にはダメだったのだと思う(それを好む方もいらっしゃることでしょう)。

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