構造改革と日本経済 の感想
参照データ
タイトル | 構造改革と日本経済 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 吉川 洋 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784000228367 |
カテゴリ | 経済学・経済事情 » 各国経済事情 » 日本 » 一般 |
購入者の感想
本書は,失われた10年前後の日本経済の実状と現在小泉内閣が進めようとしている構造改革を検討したものである。結論的には,現在のような不景気(これを吉川氏は有効需要不足の問題と説明する)というか停滞した状況を脱するためには,「持続的」な需要を喚起するようなイノベーションが必要であるとする。理論的には,竹森氏の『経済論戦は甦る』で論じられた(○フィッシャーvs×シュンペーター)のとは逆に,シュンペーター流のイノベーションの群生というかシグモイド型の技術軌道を見据えたイノベーションを誘発するような政策の必要性を説く。
景気の底においてこそイノベーションが必要であるという議論,それは持続的な需要創出を誘導するものであるという議論ともに共感できるが,その際のファイナンスはどうするのであろうか?いまだに不良債権問題を抱える金融機関がシュンペーターというようにリスクを負担してイノベーション遂行を手助けするような主体であるのかどうか,現状では怪しい今,ファイナンスの問題は避けて通れないだろう。0
景気の底においてこそイノベーションが必要であるという議論,それは持続的な需要創出を誘導するものであるという議論ともに共感できるが,その際のファイナンスはどうするのであろうか?いまだに不良債権問題を抱える金融機関がシュンペーターというようにリスクを負担してイノベーション遂行を手助けするような主体であるのかどうか,現状では怪しい今,ファイナンスの問題は避けて通れないだろう。0