小さき生物たちの大いなる新技術 (ベスト新書) の感想

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参照データ

タイトル小さき生物たちの大いなる新技術 (ベスト新書)
発売日販売日未定
製作者今泉 忠明
販売元ベストセラーズ
JANコード9784584124314
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » 動物学

購入者の感想

人類が必死になってゼロから編み出すよりも、
身近な生物を模倣したほうがよっぽど精度がよくて手っ取り早い。
そんなすごい技術が30あまり紹介されている本です。

カワセミのくちばしの形状と似た新幹線の先頭車両や
カタツムリのピカピカの殻の構造を取り入れた汚れない壁など
比較的メジャーなものから、ホバリングできるハエそっくりの小型ヘリ、
クモの糸の防弾チョッキなどまったく知らない技術まで揃っています。

著者の愛情溢れる文章で生物のすごさを知ったうえで、
人間がいかに頑張って研究&応用しているかということを知り、
二重で感動しました。
写真もたくさんあるし読みやすいので、一気に読んでしまいました。

本書の構成・内容は、この頁の上にある「商品の説明」に詳しいのでそれに譲る。本書のコンセプトは、『小さき生物』(多くは昆虫や小動物など)の生態や器官、能力等の科学的・実証的解説とともに、それらが内包する科学的テクノロジーの応用研究、実例の考察という、二重の意味での“科学”を紐解くというユニークなものである。著者はかかる「生物を『模倣』する」技術を「バイオミミクリー」として紹介する(「はじめに」より)。

具体的に取り上げられたトピックは「商品の説明」にある通りだが、全てのものが実用化(あるいは解明)されているというわけではなく、希望的ないし将来的な観測・予測・可能性を評価するものもある。例えば「アホウドリ」の飛翔メカニズム、「かさぶた」の自己修復、「イルカ」の高速潜水、「タマムシと光コンピューターチップ」、「フジツボと恒久接着剤」などである。他のトピックーー解明・応用ないし実用段階にあるものーーには、当該生物の意外性に加えその器官や能力の科学技術的価値を知ると言う二重の意義があるが、これに至らない右のトピックでも、その技術・能力や仕組みが科学的に解説されており、「クモの糸」の強度や「フジツボ」の接着力のように、当該生物の応用可能性を知るだけでも充分に意義があろう(但し未解明部分もある)。

個人的に印象に残ったのは、「フンコロガシ」の行動原理(位置認識システム)が驚くほど意外であったし、「ヤモリ」の吸着の物理学的仕組みや、実際にその(接着剤を使用しない)吸着原理を応用して商品が既に開発されている(間もなく製品化らしい)ことに感心する。「カタツムリ」の貝殻を応用した壁面材は著名であり仄聞するところであったが、その原理の科学的解説は興味深い。全体に平易かつ科学実証的な解説と写真・図解もあり、コンセプトのユニークさもあってお勧めの一冊と言えよう。

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