キン肉マン 43 (ジャンプコミックス) の感想

※ネタばらしをしていますからご注意ください。

もちろんBHはゲスじゃない。
目潰しや金的攻撃をしても観客に野次られただけで動揺してしまうんだから、
本来は正々堂々の誇り高き超人であって、汚い手を平気で使える人柄ではないんじゃないか。
それに、もしもBHが本当に性根の腐った卑怯な男なら、
いくら従兄弟とはいえ正義超人ペンタゴンが彼を友と認めるわけがないという気もする。
今回の戦いは、人一倍誇り高いであろうBHが、自分の誇りを捨て、
人からゲスだの汚いだのと言われるようなことまでして戦い抜こうとしている。　
むしろ残忍非道な悪魔に徹し、自ら泥をかぶろうとしている節も窺え、
それは一体なんのために？　誰のために？　……

イデオロギーが異なっていようが、
別々の道を歩んでいようが、
普段はめったに会えないくらい遠く離れていようが、
それらをものともしない真・友情パワーをペンタゴンが見せてくれた。
「知己朋友」っていい言葉だねぇ。
前巻でジャック・チーが「影ができるには光が必要」とか言っていたけれど、
BHにとってペンタゴンは光なのかもしれないな、なんちて。でもそんなふうにさえ見えてしまった。
ペンタ、カムバーーック！

まあ、乱入していきなり選手交代しちゃったんだけど、
チー自身が、BHだろうがペンタゴンだろうが関係ないと言って自分から先にペンタゴンに襲い掛かり、
ペンタゴンと一対一で戦った末に、自分の敗北を認めたというところがミソ。

そしてスプリングマンの死闘とその想いは涙なしには読めません。
バッファローマンも重いものを背負っている。
7人の悪魔超人のうち、残ったのがバッファとBHの2人。
悪魔でありながら正義超人とも強い絆を持っている2人が残った。今度が気になる。’’