クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえはいすくーる (ログインテーブルトークRPGシリーズ) の感想

　知らない間にクトゥルフの何度目かのブームになっていた。ラノベ業界では特にクトゥルフ物(翻案ものだが)が何十冊も出ている。その人気のおかげでクトゥルフファミリーの一員であるクトゥルフ神話TRPGも今とても勢いがある。

　ブームにあやかった前作の勢いはこのゲームでは珍しい２巻目である本作を産んだ。キャッチーな「女子高物」であるという売り込みだが、至極まっとうにクトゥルフ神話TRPGをプレイしていて、正統なコズミックホラーであるのは本作も変わりない。

　２巻目ということでゲーム初心者向けのケアは前作より薄い。しかしキャンペーンシナリオとしても、読み物としても、前作よりさらに充実している。
　各話毎にテーマを決めてシナリオを作る手法はハッキリしており、１話目がジャパニーズホラー、２話目がＢ級ゾンビ映画風、３話目が学園ジュブナイルＳＦ物と内容も豪華だ。

　前作では、表紙の美少女(さやかちゃん)が主人公と思わせて、爺さん(辰巳先生)が全編主人公だったという肩透かしを食らった覚えのある人もいるだろう。本作ではさやかちゃんもしっかり主人公しているし、新加入の女子高生も活躍している。もちろん辰巳先生や佐々原も十分に活躍しているので前作でファンになった方はご安心を。ＰＣに満遍なく日の当たる良いキャンペーンだったと言えるだろう。

　この良い流れを引き継いで関連作品が続けて出ればうれしい。