マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書 の感想

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マッキンゼーの社員がどのようにコンサルタントとして鍛えられるか、
実際に経験した著者から見た視点で書かれています。

マッキンゼー新人育成のノウハウは垣間見ることができますが、
この本を読んだからといって、それを一般の人が実践できるかは別問題。

なぜならば、著者も書かれている通り、

・採用時点で厳しい教育プロセスに耐えて成長できる人材を選んでいる
・不可能なことでもやってやるという周りの雰囲気、風土がある

といった限定的な条件、環境があっての教育プロセスであるから。

ただ、完璧に再現することはできなくても、心の持ち方として、

・Positive altitude（逆境でも陽の視点から物事を考える態度）を大切にする
・身の回りはシンプルに整える
・瞑想など心のコントロール方法を自分なりに身につける

といったことは、ビジネスマンに共通に有用と感じました。

本書はコンサル門外漢にとっては、導入本としてそこそこ価値があると思われるが、
内容としてはコンサルティング業界にとって常識的な思考が紹介されているに過ぎない。
したがって、「マッキンゼー」とあえて銘打つほどの意義があるかは微妙だろう。
また、心理学的な視点や、五感を重視する記述が多めなのがやや特徴的である。

購入前に注意した方が良いのは以下の点だろう。

・全般に初心者向け
・「マッキンゼー」と題するほどマッキンゼー独自の発想などが紹介されているわけではない
・紹介されている手法自体の有効性についてあまり検証されていない傾向がある
（たとえば心理学の学説をそのまま単に紹介する、など）

本書を読む価値がある方は以下のような方であろう。
・フレームワークさえ知っておけば問題解決はできる、と誤解されている方
・コンサルティング業界についてはあまり馴染みがないが、その思考様式には少し興味がある方

他方、以下のような方にとっては本書を読む価値はほとんどないだろう
・ある程度のフレームワークや基本的なコンサルティングの思考作法を知っている方
・それらを本当の意味で使いこなすためには「感覚」あるいは「センス」を鍛えることが重要、と認識している方0