FURY / フューリー [Blu-ray] の感想

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参照データ

タイトルFURY / フューリー [Blu-ray]
発売日2015-03-18
監督デヴィッド・エアー
出演ブラッド・ピット
販売元ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
JANコード4547462098047
カテゴリDVD » ジャンル別 » 外国映画 » アクション

購入者の感想

戦車一台で数百人の大群を相手にするってどうやって!?という興味で鑑賞し、
ああ…ようするに宇宙戦艦ヤマトだったのねという感想です。
動かぬ砲台と化して玉砕覚悟で戦うって意味じゃ元祖大和の無謀きわまりない作戦ともいえます。
集中砲火食らっても大丈夫な頑強戦車VS、まるでゲームのザコキャラのようなSS部隊。
それも戦車など必殺兵器を持たないというご都合主義ぶり。遠くから歌を歌いながら行進して接近を知らせてくれます。
偶然そうだったからこうだったと言いたいかもしれませんが、ならこりゃ作り手のさじ加減ひとつでどうとでもなる話ですね。
Uボートっぽくシリアスにしてみたり、七人の侍を参考にしたプライベートライアンの終盤をまた参考にした感じで味方がひとりまたひとりと。
どうもアメリカは、9.11による自国への打撃および、イラク戦争のような非正義の戦いを経て、
考え方が戦後日本やドイツに近づき、したがって映画の作り方も似てきたんじゃないかと思います。
反戦、厭戦という気分を前面に押し出し、暗く汚いところを強調するのみか、
あるいは精神主義的な妄想が肥大化し、ヒロイズムと神の奇跡を結びつけ、ファンタジー映画と化すということですね。
退屈はしない映画と聞いてましたが、あのドイツ人女がいる部屋でのやりとりは長くて退屈でした。
直後にあそこは爆撃受けて木端微塵でしたが、主人公たちが退去してからの爆撃ってのが、やっぱり偶然が過ぎてしらけました。
運命にもてあそばれるばかりというのが戦場だというのなら、それを心に響く形で描いてほしかった。

賛辞が多い作品ではあるが、戦争映画をよく見てきた者にとっては「割り切って観る」べき作品ということははっきり言っておきたい。とにかくドイツ兵の描き方がひどいのである。まさにドイツ兵に対する侮辱以外の何物でもなく、もしこの作品と同じ手法で日本兵が描かれたら、一転して非難轟々であろう。米軍のコートを着ていたという理由で射殺されるドイツ兵を除けば、武装SSの兵士たちがまるでろう人形のように表情がなく、かつ同じような顔をしている。「気味が悪い連中だからぶっ殺しても構わない」という製作者側の意図がありありで、非常に不愉快な気分になった。少しやさしくすれば体を許すという馬鹿に仕切ったドイツ女性の描き方も問題だし、一体この作品のどこがリアルなのか私には理解不能だ。クライマックスでは極端に視界の悪い戦車内に立てこもって300人からのドイツ軍と戦うのだが、制作陣は地上戦のことは何も分かっていないようだ。対戦車擲弾(パンツァーファウスト)を死角から打ち込めば一瞬でかたがつく戦いなのに、ドイツ兵は射的の的のように戦車の銃口の前に立ちすくんでバタバタと撃ち殺される。実物のタイガーIE(これとて初期型を中期生産型に模したものだが)が動いているのが見られただけラッキーというところか。「割り切って」というのはそういう意味である。これすらもタイガーIはアンブッシュ(待ち伏せ攻撃)向きの戦車であって、分厚い正面装甲を敵に向けながら距離を取って弾道が低伸する8.8cm砲で仕留めるのがこの戦車の戦い方。作品中のように随伴歩兵も連れずに単騎で突っ込んでくるなんて戦い方はまずやらない。とにかく期待した分だけこれだけ裏切られると落胆は大きい。とは言っても、これまでM41やM47、M48といった戦後型戦車が登場する第二次世界大戦ものばかり見てきた者にとって、M4(それもM4A1, M4A3, M4A3E8とマニアが泣いて喜ぶ車両ばかり)が走り回り、タイガーIEが実走し、擱座しているとはいえパンターやIV号戦車H型が見られるのは感激だ。ここまでくるともう病気である。

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