超訳ニーチェの言葉 の感想

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タイトル超訳ニーチェの言葉
発売日2012-10-18
製作者フリ-ドリヒ・ヴィルヘルム・ニ-チェ
販売元ディスカヴァー・トゥエンティワン
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カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

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本書は、1ページ完結で、各ページ、右上にニーチェの箴言と思われる「冒頭文」があり、次に、その文章についての何行かの「説明文」が掲載されています。
そして、左下には、ニーチェの著書名が記載されています。

他のレビューアーも書かれていますが、ページの大半を占める「説明文」は、ニーチェの著作の翻訳ではなく、著者の解釈による「解説文」となっていて、しかも、その断り書きがない。

それでは、「説明文」はともかくとしても、「冒頭文」がどこから引用されているのか、試みに、 「ツァラトゥストラはこう言った (岩波文庫 青 639-2)」(※)で確認してみましたが、(※)から引用されているであろう「8つの冒頭文」について、引用元が不明か、あっても「説明文」で正しく文意を伝えているとは思えませんでした。
ここでは文字数の関係で、一例を記載します。

【022友人を求める前に自分自身を愛する】
(※)の第1部に「友」という章がありますが、この文章に相当する記述は見当たりません。
その後に「隣人への愛」という章がありますが、そこに、
「あなたがたの隣人への愛は、あなたがた自身への愛がうまく行かないからだ」
とあります。
さらに33行あとに、
「わたしはあなたがたに隣人を教えようとはしない。友を教える」
という記述があります。
これらから、「自分自身を愛する」ことができていないこと、「友」を勧めるということは読み取れますが、【友人を「求める前」に自分自身を愛する】ということはニーチェは一言も述べていません。
つまり、この「冒頭文」は「訳」ではなく、著者の「解釈」です。

本書は、著者がニーチェの著書から感じたことを記述し、その要約をページ冒頭に掲げたとしか思えません。
これが「ニーチェの言葉」ですか?
ニーチェを「解釈」した、という断り書きがあればよいのです。本書を読んで「ニーチェの本を読んだ」という誤解を与えてしまう、そんな懸念があります。0

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