時事ネタ嫌い の感想
参照データ
タイトル | 時事ネタ嫌い |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 菊地 成孔 |
販売元 | イースト・プレス |
JANコード | 9784781610429 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » か行の著者 |
購入者の感想
『FRAU』に連載されていたコラムの書籍化。
そもそもまさに「時事ネタ嫌い」(というか無関心)だった菊地氏が、
編集部からその都度出された時事的なお題について綴ったという本。
この本に取り上げられているニュースは5年前のものから震災直前までのものだが、
ニュースの存在すらすっかり忘れているものも多く、
章題でもぴんとこずに、中身を読んで「ああ、そういえばそんなこと
あったなあ」と思い出すことも多いレベル。通常、こういうまさに「時事ネタコラム」というものは
もともとの「時事ネタ」に輪をかけて、賞味期限が厳しく、時とともに商品価値が落ちるものだが
この本のすばらしいのは、コラム執筆時の事件の後日譚を新たに執筆・掲載することによって
いまの時点からしっかり見直ししていて、その結果どの項をとっても、現代に通じる話になっている点だ。
言い換えれば、基本的にニュースなんて忘れるものだということを前提に書いてある
のが、読者にやさしいと思う。
菊地氏の文章はユーモアに満ちていて、知的で、衒学的ですらある。
このコラムが終わってもなにも得ないままにふたたび時事ネタ嫌いに戻るだろう
といったような宣言は若干蛇足に思えるのだが
これは菊地氏独特のスタンスというか、一種の試験みたいなもので
結局、ちょっと重くて深いところであえて使っている軽薄な言葉の意味を
冒険して探りにいってね、というメッセージなのではないかと理解した。
そもそもまさに「時事ネタ嫌い」(というか無関心)だった菊地氏が、
編集部からその都度出された時事的なお題について綴ったという本。
この本に取り上げられているニュースは5年前のものから震災直前までのものだが、
ニュースの存在すらすっかり忘れているものも多く、
章題でもぴんとこずに、中身を読んで「ああ、そういえばそんなこと
あったなあ」と思い出すことも多いレベル。通常、こういうまさに「時事ネタコラム」というものは
もともとの「時事ネタ」に輪をかけて、賞味期限が厳しく、時とともに商品価値が落ちるものだが
この本のすばらしいのは、コラム執筆時の事件の後日譚を新たに執筆・掲載することによって
いまの時点からしっかり見直ししていて、その結果どの項をとっても、現代に通じる話になっている点だ。
言い換えれば、基本的にニュースなんて忘れるものだということを前提に書いてある
のが、読者にやさしいと思う。
菊地氏の文章はユーモアに満ちていて、知的で、衒学的ですらある。
このコラムが終わってもなにも得ないままにふたたび時事ネタ嫌いに戻るだろう
といったような宣言は若干蛇足に思えるのだが
これは菊地氏独特のスタンスというか、一種の試験みたいなもので
結局、ちょっと重くて深いところであえて使っている軽薄な言葉の意味を
冒険して探りにいってね、というメッセージなのではないかと理解した。