論文捏造 (中公新書ラクレ) の感想

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参照データ

タイトル論文捏造 (中公新書ラクレ)
発売日販売日未定
製作者村松 秀
販売元中央公論新社
JANコード9784121502261
カテゴリ » ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 科学読み物

購入者の感想

最近のSTAP細胞論文問題で発覚したのとまったく同じ構造だというのが面白いところ。

論文の共著者は自分の担当部分以外無頓着でチェックもしない。

ネイチャーやサイエンスなど論文審査する側も、そもそも研究機関が内部チェックできなかったものを、
外部の機関が査読で見つけられるわけがない、と匙を投げる。

性善説に立ち、研究者を疑わないので、他の殆どの科学者は再現実験が出来なくても、
特許に絡んで明かされない秘密があるのでは、とまで考える。

しかし、少数の疑問をもった研究者によって論文でのデータやグラフの使い廻しが指摘され、
調査によって捏造が発覚。実験ノートや生データ、実験サンプルもきちんと残っておらず、
そもそも実験が実際に行われていたかまで現在では疑問とされる。

小保方さんは現代のヘンドリック・シェーンになってしまうんでしょうか?

各国各所で研究プロセスや論文の捏造やデータクッキングの類が科学への素朴な信頼を揺るがせている現在、本書で扱っているシェーン事件は大きな波紋を投げかけている。
若造の助手の捏造をベル研究所の権威あるベテラン学者たちが見抜けなかったこと。科学者同士の暗黙の了解や信頼のナイーヴさ。一流科学雑誌のピアレビューが機能不全に陥っていること。
NHKがバックについているとはいえ、著者チームの綿密で執念深い取材力には頭が下がる。
エピローグで著者は、わからなさの時代ということを唱えている。先端科学だけでなく、科学の恩恵を享受している現代社会そのものが、わからなさの真っ只中にある。それを少しでも解きほぐすために、真面目なジャーナリズムの苦労が求められている。
なお、講談社ブルーバックスの『背信の科学者たち』の併読も是非お薦めしたい。0

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