毎日トクしている人の秘密 (PHP文庫) の感想

　本書の「不安のメカニズム」、不安を減らし「楽に生きる手掛かり」は、
会社生活の中で、押し潰されそうになった等、泥沼にどっぷりとはまり込んだ経験が無いと、
しっくりと、腑に落ちないかもしれません。そして、渦中のひとには、難しいこと。
しかし、暗闇の中を何も手にせず歩くより、僅かでも灯火が持てたら気が楽になるのと同様、
視界を広げてくれる術が人生には必要です。
付き合う相手との関係について多くを述べていますが、そのなかで、「あ、この人危ないな」、
「一緒にいると疲れてしまうな」と気付いたら、そこから離れるというのが、例えばそれです。
感受するには、「居心地が悪い」「気持ち悪い」「なんかちょっと変」という
身体的サインを日常の中で大切にすること無しには難しい。
　数々の著者の見識や、そこから得られた気付きは、読者にとっては、「楽に生きる手掛かり」
であり、反芻することで、ほんの少しかもしれませんが、
自分にとっての灯火になってくれると思います。