ウィトゲンシュタイン入門 (ちくま新書) の感想
参照データ
タイトル | ウィトゲンシュタイン入門 (ちくま新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 永井 均 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480056207 |
カテゴリ | 人文・思想 » 哲学・思想 » 西洋思想 » 西洋哲学入門 |
購入者の感想
「はじめに」「序章」そして「おわりに」を読むだけでも価値があります。
本書は「入門書」と名付けられていますが、入門書ではありません。むしろ著者永井均の、ウィトゲンシュタイン読解を通じて自己の哲学を打ち出した書、という位置づけが妥当でしょう。わたくしは、よって、他のレビュアーの方のように、この本を読んで原著に当たりたいという気持ちにはなりませんでした。むしろ、この本から出発してさまざまな諸問題について自ら考えてゆくことを、本書は推奨しているように読めました。
著者のウィトゲンシュタイン理解が正当であるかどうか、ということはあまり問題にはならないような気がします。少なくとも、著者によって呈示されているウィトゲンシュタイン像がとても魅力的であることは事実なのですから。
少なくとも、「独我論」という問題について、独力で思考した経験のある読者であれば、賛同するか否認するかは別として、ここでの意見の呈示に対して、まことに筋の通った、かつ思考の流れとして必然的なものであることは理解できると思います。
永井氏はさいきん流行の哲学者だそうですが、フランス現代思想を偉そうに語るふたむかし前の似非哲学者(今でもその残党はあまた生き残っている)に比べて、ずっと誠実であるという印象を受けました。
本書は「入門書」と名付けられていますが、入門書ではありません。むしろ著者永井均の、ウィトゲンシュタイン読解を通じて自己の哲学を打ち出した書、という位置づけが妥当でしょう。わたくしは、よって、他のレビュアーの方のように、この本を読んで原著に当たりたいという気持ちにはなりませんでした。むしろ、この本から出発してさまざまな諸問題について自ら考えてゆくことを、本書は推奨しているように読めました。
著者のウィトゲンシュタイン理解が正当であるかどうか、ということはあまり問題にはならないような気がします。少なくとも、著者によって呈示されているウィトゲンシュタイン像がとても魅力的であることは事実なのですから。
少なくとも、「独我論」という問題について、独力で思考した経験のある読者であれば、賛同するか否認するかは別として、ここでの意見の呈示に対して、まことに筋の通った、かつ思考の流れとして必然的なものであることは理解できると思います。
永井氏はさいきん流行の哲学者だそうですが、フランス現代思想を偉そうに語るふたむかし前の似非哲学者(今でもその残党はあまた生き残っている)に比べて、ずっと誠実であるという印象を受けました。