ドファララ門 の感想

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参照データ

タイトルドファララ門
発売日販売日未定
製作者山下 洋輔
販売元晶文社
JANコード9784794968647
カテゴリジャンル別 » エンターテイメント » 音楽 » ジャズ

購入者の感想

徳間文庫の山下さんのエッセイの大半は自伝であり、それも本作とかなり被る部分もあり、既知の内容であるが、しかしこの本は、熟成された味わいがあるので読んでてまったく飽きない。それはわかっていても聴いてしまうグガングガンピアノ同様、つい読んでしまうのですね。そんな徳間文庫と同じテーマだがインプロビゼーションで交わして時にどしゃめしゃにしてしまう、氏のピアニズムとシンクロしているじゃないですか。今までは出てこなかった恋のエピソード、奥様との馴れ初めも、ちゃっかり混ぜたりして、そこはなんだか新鮮で、嬉しかった。

正直なところ、個人的には本書のような語り口は、それほど好きではない。もちろん、著者の個性であることは理解できるが、肌に馴染まないのだから仕方ない。ただ、中身は、面白く興味深い。著者の母方家系の明治以降の歴史を辿りながら、著者自身の音楽史であると同時に、日本の戦後ジャズ史の一面を伺いしることができる。

とにかく次から次へと興味深い人物が出てくる。上の「内容紹介」にもあるが、著者の母・菊代の父で齋藤実内閣司法大臣を務めた小山松吉、同じく菊代の伯父・で東京感化院を創設者した高瀬真卿。小山家と関わりの中では、山本直純。築地小劇場の開設者・土方与志の祖父・久元や小説『不如帰』の川島武夫のモデルとなった三島彌太郎の父・通庸の名も見える。
一方で、本書全体のカギとなるピアノ・ホルーゲルとの出会いを皮切りに、音楽へ、ジャズへとのめりこんでいった著者は、国立音楽大学で音楽的同志となる人々と邂逅するのはもちろん、すでに高校時代から様々な人との出会いを繰り返し、自身の作品世界を広げていく。さらに、音楽だけではなく、画家、作家、タレントなど、それぞれに魅力と才能を持った人々と知り合い、友達となっていくのは、“人徳”なのだろう。

特に面白いのは、破天荒としか言いようのない学生時代。特に1年生の夏休み明けの部分。現在であれば、停学・退学になりかねない。もちろん、著者に才能があったから許されたのかもしれないが、現在とは違って、どこか、そういったことを許容できる“幸福な時代”であったことも間違いないだろう。

著者の奏でる音楽を聴いてみたくなった。

友人からアマゾンのギフトでプレゼントされました。自分はジャズの専門家ではありませんが、山下洋輔さんってこんなエネルギッシュで面白い方なんだと初めて知りました。普通の自伝と違って、TVの対談を聞いているような感じで楽しく読めました。ジャズが好きな方ならもっと楽しめると思います。
300人以上の実在の方のお話が盛り込まれているので、知り合いの方が出てくるかもしれませんね。山下さんが自伝を書くにあたって、日本だけにとどまらず海外にまで取材をしたり、資料を集めたというOBA25さん(たびたび著書の中に出てくる編集者の方)にリスペクトします。

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