生き物の描き方: 自然観察の技法 の感想
参照データ
タイトル | 生き物の描き方: 自然観察の技法 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 盛口 満 |
販売元 | 東京大学出版会 |
JANコード | 9784130633352 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » 生物学 |
購入者の感想
小学校から高校までの授業で多くの人が経験したであろう、生き物のスケッチ。本書は、そうしたスケッチを描くためのコツを、「ゲッチョ先生」の愛称でも知られる著者がやさしく解説する指南書である。
ただもちろん、本書はただのドローイングの教則書ではない。というのも、生き物をうまく描くためには、生き物をきちんと観察する必要があるからだ。とりわけ、それがどんな生態にあるかという「くらし」と、それがどのように進化したかという「れきし」、そのふたつの観点から生き物を見ることが重要である。そういう意味で本書は、生き物を見る目を養うための本、ひいては、自然と接する〈こころ〉を教えてくれる本でもある。
では実際に、上手にスケッチを描くためにはどんなコツがあるのだろうか。著者によれば、それは、「自分なりのウソのつき方を身につける」ことにある。もっと言えば、「ウソは、はっきりつく」、「ウソのつき方をうまくする」、「ウソはつきとおす」の3つがその極意である。一見逆説的であるこれらの教えが、具体的にどんな意味をもっているか、また上手なスケッチにどう結実するかは、本書を読んで確かめてほしい。
大学卒業後、中高の理科の教員として出発した著者。そんな著者にとっては、生き物のスケッチを描くという行為も、自然や理科に対して興味をもってもらいたいという熱意とわかちがたく結びついている。そんな点からして、本書は理科の先生にとって非常に刺激になる本ではないかと思う。いやもちろん、理科やスケッチに直接関わりのないわたしのような人にとっても、十分に楽しめる本なのだけど。
しかし何はともあれ、「お化けタンポポ」から鳥の胃内容物まで、ハッとさせられるようなスケッチの数々をまずは楽しみたいところ。「はぁ」というため息とともに眺めること、しばしばだろう。
ただもちろん、本書はただのドローイングの教則書ではない。というのも、生き物をうまく描くためには、生き物をきちんと観察する必要があるからだ。とりわけ、それがどんな生態にあるかという「くらし」と、それがどのように進化したかという「れきし」、そのふたつの観点から生き物を見ることが重要である。そういう意味で本書は、生き物を見る目を養うための本、ひいては、自然と接する〈こころ〉を教えてくれる本でもある。
では実際に、上手にスケッチを描くためにはどんなコツがあるのだろうか。著者によれば、それは、「自分なりのウソのつき方を身につける」ことにある。もっと言えば、「ウソは、はっきりつく」、「ウソのつき方をうまくする」、「ウソはつきとおす」の3つがその極意である。一見逆説的であるこれらの教えが、具体的にどんな意味をもっているか、また上手なスケッチにどう結実するかは、本書を読んで確かめてほしい。
大学卒業後、中高の理科の教員として出発した著者。そんな著者にとっては、生き物のスケッチを描くという行為も、自然や理科に対して興味をもってもらいたいという熱意とわかちがたく結びついている。そんな点からして、本書は理科の先生にとって非常に刺激になる本ではないかと思う。いやもちろん、理科やスケッチに直接関わりのないわたしのような人にとっても、十分に楽しめる本なのだけど。
しかし何はともあれ、「お化けタンポポ」から鳥の胃内容物まで、ハッとさせられるようなスケッチの数々をまずは楽しみたいところ。「はぁ」というため息とともに眺めること、しばしばだろう。