マンガでわかる半導体 の感想

ダイオードとバイポーラトランジスタの復習を目的として購入しました。内容は、表紙左側の男の子が先生役、右側の女の子が生徒役となり、半導体の講義をする形です。講義が続くと読んでいて疲れますが、適量ストーリーの部分があり、時々女の子がボケてみたり、ある程度で男の子が講義を打ち切ったりするので、読みやすかったです。
前半はすらすらと読めたのですが、後半に入ってスピードがにぶりだしました。エネルギーバンドを用いた説明や、FETは大学の講義以来で、懐かしくも苦戦しながら読みました。また、電子の軌道やスピンといった化学方面の内容もあり、けっこう広い分野をまたいで説明してくれています。
マンガでわかるシリーズはいくつか読みましたが、本作ほどマンガで説明できている作品は珍しく、フォローアップも適量記載されているので、これも読んでいて疲れにくい要素でした。ただ、サイリスタ、トライアック、IGBT、ツェナーダイオード、サーミスタには触れていません。基本的に弱電主眼で、強電は扱っていません。しかし、論理回路には触れています。また、CPUの進化についても書いているので、パソコンに興味がある方が読まれても面白いかも知れません。
表紙（の女の子）を見て、「どういう本？」と思いましたが、しっかりした内容でした。

　かなり基礎的な内容である、ということ自体に助けられてか理解できる内容だった。しかし、フォローアップに於いては図を載せることによって説明を省いてしまっており、読者には自力での図の解読を要求される。結局、説明がないので曖昧な理解のまま納得したつもりになるしかない。図を出すのなら責任を持って解説を入れて欲しい。
　P型、N型半導体中での電子の動きについて、高校の物理の授業で習う手法を避け、エネルギーバンドで説明しているが、説明が拙いため寧ろ分かりづらくなっている。
　あと、伝書鳩は････まぁいいや。