新約聖書 1 (文春新書 774) の感想

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参照データ

タイトル新約聖書 1 (文春新書 774)
発売日販売日未定
製作者佐藤優・解説
販売元文藝春秋
JANコード9784166607747
カテゴリ人文・思想 » 宗教 » キリスト教・ユダヤ教 » キリスト教一般

購入者の感想

クリスチャンではないけれどなんとなく聖書は気になるという方には、この本はとてもお勧めです。

福音書だけで編集されているものとしては、主に新共同訳の本書と、岩波文庫版の『福音書(塚本虎二訳)』とがあります。
が、岩波版の訳はちょっと硬いかな?という印象で、あまり頭に入ってこなかったのですが、新共同訳は初心者の私にも大変分かりやすく読みやすかったです。

ただ、これは私自身の個人的な感想なので、一度書店で両方の本を手に取って、試しに同じ箇所を適当に読み比べてみることをお勧めします。

巻末の著者自身による聖書論も賛否両論あるようですが、私は面白く読めました。
ただ、日本人は福音書だけ読めばそれでよい云々・・・の下りだけは、これはちょっと賛成できません。

福音書だけでよいかというと決してそんなことはなく、気概があれば他の旧約や史記、詩編などにもチャレンジすることで、
さらに聖書に関する見識が広がるとともに、自ずと自己の精神も高められるはずだからです。

最後に参考までとして、少し長いですが、どのように聖書を読めばよいのかに言及したカール・ヒルティの言葉を引用しておきます。

「あなたがいつか本気に聖書を読んでみたいという気になったら、(略)まず、福音書からよみはじめるがよい。そうすることはとりわけ大切であり、しかも誠実な人ならばだれにでも、まちがいなく深い感銘を与える。そのつぎには史書(創世記からエステル記までの諸篇)を読むがよい。古代の他の歴史書で、これに匹敵するものは一つもない。そのあとで、詩篇とヨブ記を、それから預言書を読みなさい。最後に使徒たちの手紙と使徒行法とヨハネの黙示録を読むがよい」
(『眠られぬ夜のために』より)

新書で聖書、というのはありそうで確かになかったですね。
しかも、この’T巻は、いわゆる福音書が4つ含まれていて、
’Uまで手を出さなくても、キリストの伝承のコアなところが
わかるようになっていて嬉しいです。

佐藤さんの解説も一般人向けにとてもよく、
入門としては最適でした。
大きな解説が巻末にあるほか、各福音書の前に簡単な導入があり、
さすが功利主義者を自称するだけに、非信者を通読に誘うのが
お上手でした。おかげで通読できました。

キリストの言葉が太字になっているのが他にない
特色だと言われているのですが、これはややうるさいかも
しれません。字面の好みに過ぎないと言えばそのとおりですが。

ただ、あとで読み返したり、いわゆる平行箇所(マルコのある記事が
マタイやルカにも出ている場合のその箇所→福音書の各箇所で
示されています)をたどりたいときに、肝心の章番号が一目では
分からないのです。

たとえば、ページの上隅に「マタイによる福音書」などと
福音書の明示はありますが、ここに章番号、ふつうなら節番号
まであると思うので、ぱらぱらっとめくりながら平行箇所の
指示に従って探せます。
この本は福音書の明示しかないので、暗記していない人には
たどり着くのがかなり大変……

なので1点減にしましたが、手にとって読んでみてよかった、
(なにしろこれで初めて福音書が通読できましたので)と
感謝に堪えない一冊です。

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