数学的思考法―説明力を鍛えるヒント 講談社現代新書 の感想
参照データ
タイトル | 数学的思考法―説明力を鍛えるヒント 講談社現代新書 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 芳沢 光雄 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784061497863 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 数学 » 一般 |
購入者の感想
数学を勉強する必要性に関して、本書は的確に説明してくれている。それは、論理的に思考をする力を養うということで、特に「証明問題」を多くすることで、論理的に説明する力が養われると説明している。また、これまでの数学教育への批判(例えば、二次方程式の解の公式を暗記したことで、人生の何の役にも立たないといった批判)の多くが的外れであることや、マークシート型式の試験の問題なども、本書を読むことで理解できる。大変、興味深い内容であり、かつ文章が論理的で分かりやすいので、あっという間に読めてしまう。数学教育の価値が分かる本であり、数学を勉強したくなるような本である。
学習参考書からビジネス本に至るまで巷ではハウツー本が溢れています。しかし冷静に考えると、何かを生み出すために一番大切なのが論理的思考力です。この論理的思考力を身につけるためのハウツーはありません。結局は、いろいろ試行錯誤して考えること以外に方法はないのではないかと思います。筆者は、それを世の中に訴える数少ない学者の一人です。その一番大切な論理的思考力に、数学的な立場から光をあてているのが本書です。教育とビジネスの両面から興味深く述べられていて、読み易い本になっています。個人的には、マークシート問題の本質的欠陥、「見直し」という試行錯誤、「2」より「3」で試すことの重要性、「たとえば」の上手な用法、などが特に面白いと思いました。