「カルト」を問い直す―信教の自由というリスク (中公新書ラクレ) の感想
参照データ
タイトル | 「カルト」を問い直す―信教の自由というリスク (中公新書ラクレ) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 櫻井 義秀 |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784121502018 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 宗教 » 宗教入門 |
購入者の感想
「カルト」という言葉自体は、テレビや新聞などのマスメディアを通じて幾たびとなく聴かされ続けたものだが、いざ説明するとなると、きちんと説明できる人は少ない。報道されなくなった「カルト」問題の多くが、いまだに解決されていないということを知っている人は、さらに少ない。それはきっと、対岸の火事であって、自分には関係がないとタカをくくっているからなのだろう。
だが、この本は、そうした甘い考えに対して警告を発している。とりわけ、大学キャンパス内での問題は、櫻井氏が大学教員であることもあって、深刻さが伝わってくる。キャンパスで勧誘されて入信し、最終的には犯罪行為に手を染めた若者たちを、私たちは幾度となくテレビで見てきたはずだ。それなのにもかかわらず、学生がそうした「カルト」に対して無知であること、「カルト」が団体名を偽って勧誘していること、それらへの大学側の対応が甘いこと。こうした現状を、多くの人は知らない。
櫻井氏は、この問題に取り組んできた研究者で、いわば「カルト」の専門家である。氏は、自らの学問的な調査に裏付けられた事実に基づき、「カルト」問題がいかなる形で現れているのか、そしてその核心にあるものが何なのか、を鋭く描き出す。そして、『法律が「カルト」を解消できない以上、私たちはどのように対処すべきだろうか?』というのがこの本の全体を貫く問題意識なのであるが、それを単なる評論に終わらせず、具体的な解決・対処の方向性を示しているところは、まさに注目すべき点である。
これから4月の入学シーズンを迎える。新しい生活を送る不安に、「カルト」はそっと忍び寄ってくる。だから、一人暮らしを始める子供を持つ親御さんには特に、この本が役に立つのではないだろうか。
だが、この本は、そうした甘い考えに対して警告を発している。とりわけ、大学キャンパス内での問題は、櫻井氏が大学教員であることもあって、深刻さが伝わってくる。キャンパスで勧誘されて入信し、最終的には犯罪行為に手を染めた若者たちを、私たちは幾度となくテレビで見てきたはずだ。それなのにもかかわらず、学生がそうした「カルト」に対して無知であること、「カルト」が団体名を偽って勧誘していること、それらへの大学側の対応が甘いこと。こうした現状を、多くの人は知らない。
櫻井氏は、この問題に取り組んできた研究者で、いわば「カルト」の専門家である。氏は、自らの学問的な調査に裏付けられた事実に基づき、「カルト」問題がいかなる形で現れているのか、そしてその核心にあるものが何なのか、を鋭く描き出す。そして、『法律が「カルト」を解消できない以上、私たちはどのように対処すべきだろうか?』というのがこの本の全体を貫く問題意識なのであるが、それを単なる評論に終わらせず、具体的な解決・対処の方向性を示しているところは、まさに注目すべき点である。
これから4月の入学シーズンを迎える。新しい生活を送る不安に、「カルト」はそっと忍び寄ってくる。だから、一人暮らしを始める子供を持つ親御さんには特に、この本が役に立つのではないだろうか。