アスペルガーの男性が女性について知っておきたいこと の感想

アスペルガー症候群の解説は、この本を買おうという方には不要ですよね。
でも、アスペルガーではない男性にも、この本は役立つと思います。
男子校出身だったり、理系の大学出だったり、長いこと男性しかいない職場で働いていて女性心理がよくわからない男性が、女性を理解しようとして『30歳の保健体育』を買うくらいなら、こちらを勧めたいです。

私は、アスペルガーではないと心療内科で言われました。
むしろ、学生時代にアスペルガーの方と知り合い、どう扱えばよいか非常に困ったくらいです。
ですが、嫁さんと知り合い、恋愛関係を経て結婚した今でも、もしかしたらアスペルガーの方と同等かそれ以上に、女性心理がよくわかりません。
感情を排し論理を重視する、アカデミズムの場を職場としているせいもあるかもしれません。

この本を読み、目からウロコが落ちた箇所がたくさんありました。
男性からのアプローチや、男性の女性に対する愛情というものを女性がどう思っているのか、月経前のあの嵐のような時期にはどう向き合えばいいのか、極めて論理的に、明快にこの本は描いています。
女性に、相手を思ってしたつもりの言動が反対の意図に捉えられ、衝突してしまう、そんな経験は男性なら誰しもあるかとは思います。
それを減らす、できればゼロにするにはどうしたらよいか、そのためのマニュアルとして、この論理性や明解性は極めて大きなアドバンテージではないでしょうか。
だからこそ、アスペルガーではない男性にもお勧めしたいのです。

無論、イギリスの本の邦訳なので、日本人としては違和感を覚える箇所もあります。
しかし、大多数の記述は、日頃接している嫁さんの言動の背景として腑に落ちるものばかりと感じました。
是非、 アスペルガーであるか否かを問わず、一人でも多くの男性にこの本を読んでもらいたいです。