これで古典がよくわかる (ちくま文庫) の感想

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参照データ

タイトルこれで古典がよくわかる (ちくま文庫)
発売日販売日未定
製作者橋本 治
販売元筑摩書房
JANコード9784480036902
カテゴリ古典 » 日本の古典 » 古代・中世文学 » 古典文学研究

購入者の感想

世界価値観調査によると、日本人の世俗性は世界トップクラスです。
世俗性というのは、言い換えると、ミーハー(新しいモノ好き、古いものはダサいと思う)で、
また、物事に対して、損か得かの判断をとても重視するということです。

この特性からいうと、古典を学ぼう、学びなおそうという人は、
確実に少数派になります。
それでもなぜ学ぶのか?

①試験・受験に必要だから
②面白いから
③強制的に学ばされているから

毎年、何万点も書籍は出版されていますが、
その中で10年後、価値あると言われる本は1%もありません。
20年後、30年後になると、0.01%以下になります。
古典と呼ばれるものになると100年の経年数は余裕でありますから、
出版された出版物の中からすると、何千分の一の確率で生き残っているということになります。

つまり奇跡に近いものです。
では、1000年前になると、どうか?

本が生き残る条件は何か?

それは、不特定多数の人が、その本に価値を認めたことになります。
自分が面白いと思っても、他人が面白くないと思ったら、
残らない可能性が高い。

また学術的価値が高いとか、芸術性とか、いろんな判断基準で、価値を測りますが、
古典というのは、「偉い」というのは間違いありません。
ただ、この「偉い」は、権威的にならざるを得ない宿命にあるのか、
わかりませんが、日本人は、特に権威を嫌います。
古典を忌避する理由の一つが、この権威性かもしれません。

また、「わからない」ということが、非常に怖く思ってしまう人が多い。
オトナになると、ますます、わからない、知らない、できないを、
認めたくならないように、なります。

著者の論の進め方は、非常に丁寧です。
古典を怖がらないでくださいと言っています。
古典=わからないもの、難しいものであることを認めた上で、

高校の時に古文の成績が伸び悩んだ理由は大人になってわかりました。根本的な誤りは「日本語」として考えていたからです。思い切って「外国語」と捉えれば音読をもっとしたし文法暗記にも励んだし・・。そうすれば今頃「古語会話ができたはず」と主張して職場の同僚によく笑われています。ところでこの本ですが確実に古文を身近なものにしてくれます。内容は高校時代の教材のオンパレードで当時は「入試のため」にしかたなく読まされていたものにこんな楽しいことが隠れていたの?というくらいおもしろいです。いまだに呪文のように口をついて出てくる「ぞなむやかこそ」の”係り結びの法則”の訳し方から、平安時代のちゃんとした日本語?和歌ってなに?祇園精舎はどこにある?兼好法師の本名は?、また古!!典を軽視する日本人をチクリと諭したりなど盛りだくさん。「受験古文」のOBにも楽しめます(と言うか、古文ってこんなに楽しかった科目なの、とくやしがりながら)今の高校生諸君にお薦めなのはもちろん、ふだん古文に親しむチャンスが多くない日本人に一般教養として必読と考えます。

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