雨の訪問者 HDリマスター版 [Blu-ray] の感想

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このソフトが「PAL早回しで収録されている」という噂を聞き、ちょっと気になったので調べてみました。
まず結論としては“PALスピードではなく、正常なフィルムスピードで収録されている”ということです。

今回、手持ちのフランス製PAL版DVDと比較してみたところ、PAL版DVDが111分、BDが116分でした。
これはそれぞれのファーストカットからエンドロール直前のドブスのカット(スタジオカナルのロゴやエンドロールは除外)までの尺です。

このPALスピードの111分を、フィルムスピード(約4％のスピードダウン)に変換してみるとピッタリ116分となります。
ですので早回しではなく正常なオリジナルの速度で収録されているとみて間違いないかと思います。
また、過去にPALマスターを利用した国内盤DVDで見られたような、動きのある場面での残像も見当たりませんでした。

…しかし、ここで一つ疑問が。本ソフトに収録されている仏語音声と、PAL版DVDの音声のピッチがほぼ同じなのです。
一体どのような経緯でこのような自体が起きているのか不明ですが、同じくスタジオカナルのマスターを使用している、
「ディア・ハンター」BDに収録の5.1ch音声でも同じ現象が起きています。映像の速度は正常なのに、なぜか音声のピッチだけが高いのです。
映像が綺麗なだけに、これは少し残念でした。

次に日本語音声に関して。他の方も書かれていますが、ドブスのセリフに一瞬欠落部分があります。

01：22：04~12付近『その警部には旦那を空港へ迎えに行くと、うまく誤魔化し (ここで字幕：死体を海に) 始末して家へ戻った。』

いきなりぶつっと切り替わってしまいますが、字幕で処理されているのでそれほど違和感はありませんでした。
カセットテープの録音から復元されたとのことですが、モコモコと籠もった音質ではなく、かなり聞き取りやすく調整されています。
「サー」というヒスノイズやホワイトノイズも丁寧に取り除かれているようで、音質に関してのストレスは殆ど感じませんでした。