展示・ものづくり はじめの一歩―小さな発表会をひらこう の感想

こんな時代、いやこんな時代だからこそなのか、ハンドメイドを楽しむ人が年々増えているらしい。すでに自分でも何かを作っている人、これから作ってみたいと思っている人にとって、この本を開くことは魔法の扉を開くことになるかもしれない。

実際に（小さな発表会）を開いている１０人の作家の個展の様子をベースに、会場選びのポイントやスケジュール設定、当日の流れ、普段のものづくりの様子が紹介されている。巻末には会場としてレンタル可能なカフェや雑貨ショップ、ギャラリーのデータも豊富である。紹介されている作家はイラスト、人形、布作品、お菓子など分野は多彩だが、皆さん自然体で取り組んでいる雰囲気なのが好感度高い。仲間のグループで市のようなイベントを開催するスタイルも紹介されている。それぞれの作家の歩みも文章と年表で紹介されているので、同じ分野を目指す人にとっては参考になるだろう。

個展を開くというと大変なことのように感じられるが、この本を手に取ると、もしかすると少し頑張ったら自分でもできるかもしれない．．．という気持ちになってしまいそうだ。暖かい雰囲気の写真を眺めているだけでも十分楽しいが、発表会＝魔法の扉を開けるパワーがもらえそうな、とても素敵なガイドブックである。