くまみこ 3 (コミックフラッパー) の感想
参照データ
タイトル | くまみこ 3 (コミックフラッパー) |
発売日 | 2015-01-22 |
製作者 | 吉元 ますめ |
販売元 | KADOKAWA / メディアファクトリー |
JANコード | 登録されていません |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック |
購入者の感想
第三巻にしてその人気を不動のものとしつつある本書は、漫画という枠を超え文学としての価値を大いに持ちつつあるように感じる。
というのも何も考えず読み進めれば熊がかわいいコミカルな田舎漫画なのかも知れないが、文明と自然の間に生きる登場人物の描写は、現代日本の多くの人にとって無意識に感じられてしまう文明(しまむらでありamazonである)の価値なり危険なりを恐ろしく鮮明に描出してしまうからだ。それはさながら英国自然主義文学にその名を刻むトマス・ハーディの著書のように、都会の無機質なジャングルで暮らす我々の脳を自然というものに回帰させる大いなる駆動力となる。
地方創生など言葉だけが叫ばれている我が国において、ナツ、マチらこの作品の登場人物の生活・価値観は政策判断にも寄与するところ大なりと考える。
ナツがamazonでケーキを頼むシーンなど、示唆に富む描写にはっとさせられる。地域の奥深くまで浸透する便利さの享受の裏で、我々が本当に失ってはならないものとはなにか。この作品を通して心に残る暖かさを何代も大事にしていきたい。
というのも何も考えず読み進めれば熊がかわいいコミカルな田舎漫画なのかも知れないが、文明と自然の間に生きる登場人物の描写は、現代日本の多くの人にとって無意識に感じられてしまう文明(しまむらでありamazonである)の価値なり危険なりを恐ろしく鮮明に描出してしまうからだ。それはさながら英国自然主義文学にその名を刻むトマス・ハーディの著書のように、都会の無機質なジャングルで暮らす我々の脳を自然というものに回帰させる大いなる駆動力となる。
地方創生など言葉だけが叫ばれている我が国において、ナツ、マチらこの作品の登場人物の生活・価値観は政策判断にも寄与するところ大なりと考える。
ナツがamazonでケーキを頼むシーンなど、示唆に富む描写にはっとさせられる。地域の奥深くまで浸透する便利さの享受の裏で、我々が本当に失ってはならないものとはなにか。この作品を通して心に残る暖かさを何代も大事にしていきたい。