中級へのイタリア語文法 の感想

初級文法は『しっかり学ぶイタリア語』と『イタリア語検定三級突破』で勉強したものの、使える練習問題がたくさん載っている本があまりありませんでした。

この本は文法項目をシンプルに整理していて、練習問題は本当にしつこいくらいあるので比較級や関係代名詞などのややこしい部分もじっくり取り組めます。

また、何度か問題をこなすうちに、間違いやすいところや言葉の細かい違い気づきなども得られるので、語学学習本としては素晴らしく優秀な本です。

ただ、比較級・最上級の章は比較級がメインで最上級についてはあまり触れられてなかったのでそちらの情報も欲しかったです。

あと、欲を言えば日本人に馴染みのない前置詞の練習問題などもあるとよかったです。
イタリア語は前置詞を使った慣用句なども多く、個人的に苦手なので…。
あとコラムの文章なども購入者特典として音声をダウンロードできたりすると、文の区切りを意識しやすいので読解練習や発音練習にもいいかと。

一般的な文法本のように名詞から始まるわけではなく、上級者向けの本のようにマニアックな練習問題があるわけでもありませんが、日本人が頭では理解できても使いこなすのが難しいと思われる文法項目が網羅されています。文法説明は必要最低限といった感じですが、練習問題が豊富なので、注意すべきポイントは自然と身につきます。
全体を通して無駄な余白が少ないので、同じ厚さのテキストと比べても情報量が違います。解答集が取り外せるので使い勝手が良い。些細なように思われるところにも気が配られています。
初級テキストでひととおり文法を勉強し、穴埋めや書き換え問題が苦にならない人、ひたすら練習問題に取り組みたい人にお勧めです。

他のレビューにもありましたが、誤植や文法の間違いがあります。一つ例を挙げると９ページの2番に間接目的語の強勢形の表で強勢形 a Leiの非強勢形がLaとなってますがLeが正しい形です。これに関する問題が次の練習問題4の4）に出てきますが答えは合っています。これは致命的な間違いなので校正するかたは慎重にしてほしいものです。他にも解答などに綴りの間違いがありますので気を付けてほしいです。練習問題としては日本人が間違いやすい問題等いろいろありためになりますので中級以上を目指している人にとってはいい本だと思いまうす。