拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる (文春新書) の感想

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タイトル拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる (文春新書)
発売日販売日未定
製作者関岡 英之
販売元文藝春秋
JANコード9784166603763
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

国家が戦略をたて、それを実行するということはどういうことなのか。アメリカが進めている新日本解体プログラム(「年次改革要望書」)によって、日本がばらばらにされていく姿が浮き彫りにされている。

建築家の資格を国際的に統一、原価会計から時価会計へ、司法制度改革、商法改正、ロウスクール・アカウンテイングスクールなど専門教育学校設立、官業の民営化(郵政民営化)など、日本で現在進行している改革が、いったい誰がどんな意図でなしているのか、うすうす感じていたことではあるが、ここまで明らかにされると、脱力するしかなかった。

自分でルールを決められない、国家のありかたを選択することができない日本の悲しさを感じてならない。

国家を運営するものは、共同体がこれまで育んできた思考、伝統、生活様式など、守るべきものはまもり、かえざるをえないところは変え、虚虚実実の駆け引きの中で国益を守る、そういう方たちであってほしいと願っているのだが、見事に、この国の政治家は、その期待を裏切ってくれる。

もちろん安全保障の問題でアメリカとつかず離れずを必要とする現状はわからなくもないが(本書では、安全保障の問題には触れていない)、交渉もなにもなく、ただ、だまって解体プログラムを実施するしかない日本の姿は、あわれをとおりこしてこっけいでさえある。

もっとも罪深いのは、恫喝され脅迫され、それに追随しているにもかかわらず、外交事情をひたかくしし、あたかも、日本の未来にとってこれが最善の選択であるのですと、屈辱を隠蔽してものごとをすすめていく売国奴たちだ。

心理機制として、ありがちな、或る物事を屈辱と感じないように自ら望んでそうしているという欺瞞が、この国に蔓延している、そう思えてならない。

屈辱は屈辱として受け止めた上で、さて、それをどうしようかという思考を展開しない限り、不気味な細胞分裂を繰り返し、最後には、原型をなにもとどめない、かつ分裂した人格ができあがる。

まあ、日本は近代以降、ずっと心理的に引き裂かれた国家だったのだから、いまさらなにを・・・という向きも多いだろうが。

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