認知症になった私が伝えたいこと の感想
参照データ
タイトル | 認知症になった私が伝えたいこと |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 佐藤 雅彦 |
販売元 | 大月書店 |
JANコード | 9784272360826 |
カテゴリ | 暮らし・健康・子育て » 家庭医学・健康 » 家庭療法・医学 » 脳・認知症 |
購入者の感想
認知症になるとはどういうことなのか。それが51歳だとしたら・・・。ご本人しか書けないディテールが満載。最初の異変は1987年のこと。突発性難聴になり、医師からは働きすぎのせいだと言われた。次の異変は1999年。会議の議事録が書けなくなったのだ。異変が決定的になったのは2005年。アルツハイマー型認知症の診断を受けた。そのころの佐藤さんのメモは凄い。銀行から自分で引き出した記憶がない、信号が赤なのに渡ろうとする、「やさい」という漢字が書けない・・・・。しかし、そこから佐藤さんは這い上がっていくのだ。花の写真を撮りながら気づく。花もまた一生懸命に生きている・・・。佐藤さんは、認知症になったあと、SNSを駆使するようになる。記憶の障がいを補うため、外付けのハードディスクを備え、さまざまなひとのネットワークを構築するのだ。そのようすは圧巻である。いちばん感動するのは、佐藤さん自身が、認知症に対して偏見を持っていたと気づくところだ。自分の中の偏見を乗り越える、なんとすごいことだろう。この本は、すべてのひとに、人間のすばらしさ、可能性を伝える希望の書だと思う。佐藤さん、そして解説の永田久美子さん、ありがとう。