プロメテウスの罠: 明かされなかった福島原発事故の真実 の感想

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参照データ

タイトルプロメテウスの罠: 明かされなかった福島原発事故の真実
発売日販売日未定
製作者朝日新聞特別報道部
販売元学研パブリッシング
JANコード9784054052345
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » エネルギー » 核・原発問題

購入者の感想

本書のあとがきに「世界有数の地震国になぜ50基を超える原発ができたのか。なぜ深刻な事態が想定されなかったのか。事故が起きた時、なぜ十分な対応ができなかったのか。官僚は政治はなにをしていたのか。」とある。
本書の内容ははこの設問に答えるには程遠いが、少なくとも「官僚は政治はなにをしていたのか。」には徹底した取材である程度答えてくれている。
本書の特徴は3月11日の震災直後から、福島原発地元住民になにが起こったか、首相官邸はなにをしていたか、いちいち直接取材により、敬称抜きで臨場感を持ってレポートしてくれている。
本書を読んで感じることは、日本の官僚のどうしようもない無責任体質だ。地震直後から使用可能だったSPEEDIのデータは米軍には渡されたが、首相官邸には全く知らされていなかった。いや首相はSPEEDIの存在自体を知らなかったのだ。同じように被害を受けたのは原発地元の住民たちだ。どこが危険でどこに避難したら良いのか全くしらされず、とにかく遠くへ逃げようとした。
原発事故が起きてから、菅首相が地元入りをして作業の邪魔をしたとか、東電に乗り込んで怒鳴ったとか、個々の事象を取り上げて首相批判に余念のない連中もいるが、本書を読めば、当事者たる東電も官僚機構も全く機能せず、なんの情報も官邸に届かぬ状況では最高責任者の首相が現場へ行って現場責任者の話を聞くべく行動を起こしたのは当たり前のことだ。こんなことで首相を非難している連中は,首相が現場へ行かなければ行かないで「最高責任者が現場にも行かずに判断ができるのか。」と非難することは目に見えている。
事故調査委員会に証人として呼びだされた東電の元会長や社長が、自分の責任を棚に上げて首相を非難するような発言をしているのにはあいた口が塞がらない。
一番の被害者は地元住民である。被害者を放っておいて、内向きに過去の慣習を守ったり、住民がパニックになるからと言って放射線量の実態を隠蔽する官僚や東電の責任こそ問題にすべきである。本書を読んでそんな感想を持った。0

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