書く力は、読む力(祥伝社新書) の感想
参照データ
タイトル | 書く力は、読む力(祥伝社新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 鈴木信一 |
販売元 | 祥伝社 |
JANコード | 9784396113803 |
カテゴリ | 人文・思想 » 言語学 » 日本語・国語学 » 日本語研究 |
購入者の感想
タイトルは「書く力は,読む力」であるが,内容は「読む力は,書く力」である。
書くことに必要な要件は,人間性や人生経験や思想ではない。その読書習慣である。知識に寄りかかった「読み」は,読む前と読んだ後で本人は何も変わらない。知識という限定的な「読み」を続けているかぎり,人は書けるようにならない。「読み」は,知識を頼りとせず,「言葉と常識」を手がかりに読むことである。読み方しだいで,人は書ける人になったり,書けない人になったりする,と著者は喝破する。
「読み」の基本操作は,不足を見きわめ,それを埋める文を追いかける。言い換えれば,疑問を抱きながら,それを解決すべく慎重に進むことである。また,疑問に対する答えを,できれば事前に予測してみることである。文と文の関係を見定め,自分がいま何を読んでいるかを見きわめる力,すなわち「読み」の調整力が必要である。不足は埋められながら,一方でどんどん増えてもいく。そのいくつもの不足の中で,一番に追うべきものは,その文の主題である。それは,「印象に残った言葉」ではなく,「来てもらわなければ困る言葉」である。この「読み」の基本操作を知れば,それは書くことに通じていく。読むことは,イコール書くことである,という説明は納得した。
では,文章はどう書けばいいのか。
書くことに必要な要件は,人間性や人生経験や思想ではない。その読書習慣である。知識に寄りかかった「読み」は,読む前と読んだ後で本人は何も変わらない。知識という限定的な「読み」を続けているかぎり,人は書けるようにならない。「読み」は,知識を頼りとせず,「言葉と常識」を手がかりに読むことである。読み方しだいで,人は書ける人になったり,書けない人になったりする,と著者は喝破する。
「読み」の基本操作は,不足を見きわめ,それを埋める文を追いかける。言い換えれば,疑問を抱きながら,それを解決すべく慎重に進むことである。また,疑問に対する答えを,できれば事前に予測してみることである。文と文の関係を見定め,自分がいま何を読んでいるかを見きわめる力,すなわち「読み」の調整力が必要である。不足は埋められながら,一方でどんどん増えてもいく。そのいくつもの不足の中で,一番に追うべきものは,その文の主題である。それは,「印象に残った言葉」ではなく,「来てもらわなければ困る言葉」である。この「読み」の基本操作を知れば,それは書くことに通じていく。読むことは,イコール書くことである,という説明は納得した。
では,文章はどう書けばいいのか。