はじめてのイタリア語 (講談社現代新書) の感想

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参照データ

タイトルはじめてのイタリア語 (講談社現代新書)
発売日販売日未定
製作者郡 史郎
販売元講談社
JANコード9784061493964
カテゴリジャンル別 » 語学・辞事典・年鑑 » イタリア語・ロマンス諸語 » イタリア語

購入者の感想

イタリアからの留学生と交流する機会があったため購入。通読は数日あれば容易にできる。著者自身は、“イタリア語に興味を持っておられる方が簡単にことばの全体像をつかめるように書いた「イタリア語のすすめ」(p199)”としており、本書のみでイタリア語の独習に十分ではないと謙遜しているが、発音も含めて文法のエッセンスは書かれおり読後の満足感はある。たとえばfやvは下唇の外側を噛むのではなく内側に前歯の先を触れるようにすると指導(p22)。つづりではガ行では「ゲ」と「ギ」にはhの字が入る例:spaghettiスパゲッティと解説(p25)。アクセントの項では、単語の最後にアクセントがあることばにはアクセント記号「′」をつける(p31)。外来語の項ではイタリア語にはthがないのでtで代用、またィアリア語にはハ行の音が存在しないのでhamburgerはアンブルゲルになる(p184)など蘊蓄として楽しく覚えたいことが解説。第3章「生活のなかの基本イタリア語」では「あいさつのことばp36」の項では、チャーオCiao、Buongiornoブオンジョルノ、Buonaseraブオナセーラの使い分け、お元気ですかCome staコメスタ?元気だよ、ありがとうBene grazieベーネ グラッツェ、あなたはどうE lei(tu)エ レイ(トウ―)?などイタリア人との日常の挨拶にすぐ使える表現が紹介。また本書では語源を随所に紹介しているのが特徴で、「月」の項では、“september(9月)というのは数のsette(7)からできたことばです。これは昔は1年が3月から始まっていて、今の9月が7番目の月だったからです。同様に、ottobre(10月)はotto(8)から、novembre(11月)はnove(9月)から、dicembre(12月)はdieci(10)からできた言葉なのですp49”と説明。女性名詞、男性名詞、それに伴う形容詞の変化、ふたつの過去形などイタリア語の難しいさや奥深さも丁寧に解説。本書は、イタリア語だけでなくイタリアという国の文化、イタリア人の性状、なども紹介。たとえばイタリア人はイタリア料理以外にはほとんど関心を示さない(p114)としている。

とても楽しい内容で満足です。持ち歩くにもよい大きさなので便利でした。ちょっとした「イタリア事情」を盛り込みながらの構成は、これからはじめようかなという方でもきっと楽しめると思いますが、テキストブックとは違ってツラツラと文字・文章が並ぶので、本があまり好きでない方には完読は難しいかもしれません。ただ、少し会話中心のテキストで勉強してみて、ただ暗記するのは向かないと感じたり、漠然と進めていくことに気が遠くなってしまった、「どうしてこうなるの??」「こんときって?」など行き詰まったら是非読んでみて下さい。イタリア語の大まかな体系が見えてきますし、ルールも理解できると思います。それでもやはり暗記しなければいけないことは沢山でてきますが、私はこの本では無理して細かな点を覚えようとせずに、読み物としてどんどん進んでゆく事をお勧めします。紹介されている殆どの単語や例文には読み仮名とアクセント・ストレス(イントネーション)がふってありますので音読も簡単です。読み終えた頃にはなんとなくイタリア語ができるような気になりますよ。

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